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Javaオブジェクト-RDB間のO-Rマッピングを実現する永続化フレームワーク「TopLink」

~Oracle Java Extreme 2004 講演

 日本オラクル株式会社 コアテクノロジー本部 COE システム技術第2グループの佐藤 裕之氏は、4月23日に行われた「Oracle Java Extreme 2004」において、「Java&リレーショナルデータベース、効率的なデータベースアクセス開発とは?」と題して、O-Rインピーダンスミスマッチの現状と、Oracleの提供する永続化フレームワーク「TopLink」について講演した。


日本オラクル株式会社 コアテクノロジー本部 COE システム技術第2グループ エンジニア 佐藤 裕之氏
 講演の冒頭で佐藤氏は「要素技術的な乖離(かいり)から、オブジェクト技術とリレーショナル技術をマッピングすることは難しい」と語り、オブジェクト-リレーショナルのマッピング(O-Rマッピング)の現状を語った。オブジェクト指向の領域とリレーショナル技術の領域は別々の発展を遂げてきたために、オブジェクトの「クラス」とリレーショナルの「テーブル」をマッチングすることは難しいとされている。いわゆる「O-Rインピーダンスミスマッチ」と呼ばれる現象である。

 この問題を解決するためには、オブジェクトの属性をどのようにデータベースに格納するのかなどを、アプリケーション設計者とデータベース設計者が協調して設計しなければならない。しかし現実には、技術者同士が協調して設計することは困難であり、これらの技術の差異を吸収するために、永続化レイヤと呼ばれる(a.k.a、O-Rマッピングツールなどと呼ばれることもある)中間層をつくる手法がとられることが多い。


TopLinkでのマッピング定義画面
 日本オラクルでは、O-Rインピーダンスミスマッチを解決する永続化レイヤとして、「TopLink」を提供している。TopLinkは1994年にSmalltalk版としてリリースされてから10年、Java版として1997年にリリースされてからは7年という長い実績を持つフレームワークだ。TopLinkは、O-Rマッピングの定義ツール「Mapping Workbench」、実行環境の設定ツール「Sessions Editor」、ランタイムライブラリ(toplink.jar)、「Foundation Library」と非常にシンプルなツール群で構成される。

 佐藤氏は永続化フレームワーク選択のポイントとして、「IDEと統合がされているか」や「柔軟な開発手法を提供しているか」などの点に触れ、Oracle JDeveloper 10gとの統合を可能にするTopLinkをデモを交えて紹介した。

 リレーショナルデータベースの分野において大きなシェアをもつ日本オラクルであるが、これまでのデータベース分野での優位を足がかりに、J2EEをはじめとするオブジェクト技術によるシステム開発の市場に進出していく。



URL
  Oracle Java Extreme 2004
  http://www.oracle.co.jp/events/tk040423_3/
  OracleAS TopLink
  http://otn.oracle.co.jp/products/ias/toplink/


( 北原 静香 )
2004/04/27 15:27

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