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マイクロソフト、Windowsサーバー戦略は順調も課題はやはり「セキュリティ」


 マイクロソフト株式会社は4月27日、来日中の米Microsoftワールドワイドセールス、マーケティング&サービスグループ担当グル-プバイスプレジデントのケビン・ジョンソン氏を招き、報道関係者向けに同社のサーバー製品に関する戦略説明会を開催した。


セキュリティ対策は「業界全体の課題」

米Microsoftワールドワイドセールス、マーケティング&サービスグループ担当グル-プバイスプレジデント ケビン・ジョンソン氏

Windows Server Systemのセキュリティ対策におけるロードマップ
 まず壇上に上がったジョンソン氏は、特に同社が「最重要課題」としているセキュリティ対策の進ちょく状況を中心に同社の取り組みを説明した。基幹業務など企業で利用されるサーバーシステムにおいて、高価なメインフレームなどから安価なオープン系への移行が進んでいるなか、同社のWindows Server Systemが採用される事例が増えている。その中で多くのユーザーにとって関心が高いのが同社製品のセキュリティ対策だ。

 MSBlasterなどの影響から数あるプラットフォームの中で同社の製品が最もセキュリティ上のリスクがあると考えるユーザーが多いが、ジョンソン氏は外部のリサーチ会社によるセキュリティ上の欠陥の調査で、マイクロソフト製品がUNIXやLinuxよりも発見数が少なかった結果を示し、「マイクロソフト製品だけが危険ではなく、業界全体の問題」であることを強調した。

 続けて同氏は、発売後1年間で発見された同社製品の「緊急」もしくは「重要」とされるセキュリティ上の問題の数について、Windows 2000 Serverが42個だったのに対しWindows Server 2003が13個に減ったこと、またSQL ServerやExchange Serverも問題が減少していることを挙げ、「製品出荷前のセキュリティ対策をより厳重した結果」と対策に結果が表れていることをアピールした。

 同社の今後の取り組みとして同氏は、6月ごろの公開が予定されているWindows XPのService Pack 2(SP2)を挙げ、「ファイアウォールやメモリ管理機能の強化のほか、セキュリティセンター機能によってファイアウォールやウイルス保護が行われているか、最新のパッチがインストールされているかなどをユーザーが理解しやすくなる。これはセキュリティ対策における大きなステップ」と述べ、SP2の導入を勧めた。同社ではさらに包括的なセキュリティ対策を進めるとともに、インフォメーションワーカーの生産性向上を目的とする製品やサービスを続々と投入するという。


「OSだけではない」Windows Server System

代表執行役社長 マイケル・ローディング氏

発売後9カ月のWindows 2003 Serverの導入実績
 続いて壇上に上がった代表執行役社長のマイケル・ローディング氏は、業務システムでx86プラットフォームの採用が広まるなか、Windows Server 2003をはじめとしたWindows Server Systemの導入が順調に進んでいることを説明した。同氏によるとWindows Server 2003は、発売後9カ月においてWindows 2000 Serverの3倍の売上を達成しているなど「ここにきてWindowsプラットフォームの展開が加速している」とのことだ。

 また、OSだけでなくアプリケーションインフラにおいても同社製品の利用が進んでいるという。同氏は国内のWindowsプラットフォーム上におけるデータベース市場でSQL Serverが46%でシェアNo.1となっていること、さらにワールドワイドのOLAP市場において26.1%のシェアを握っていることを挙げ「OracleがWindowsプラットフォームにフォーカスすることやマイグレーションプログラムを発表したことが、我々の勢いを証明している」と自信を見せた。このほか、ビジネスアプリケーションのプラットフォームとして3月に「BizTalk Server 2004」の出荷を開始し、株式会社インフォマートでの採用が決定したことや、同日に発表されたNTT東日本による外食産業向け受発注ソリューションの基盤となっていることなどを挙げ、発売直後からB2Bでの利用が進んでいることを強調した。

 最後に同氏は、Exchange Server 2003の導入が国内で500社・100万クライアントを超えたことや、SharePoint Portal Serverが3年連続でEIP市場での導入企業数シェアNo.1を獲得したことを挙げ、企業内のコミュニケーションインフラにおいても同社製品の導入が進んでいることをアピールした。そして企業におけるさまざまなITプラットフォームにおいて製品を充実させ、それらへの移行を推進するサービスなどの提供を今後もパートナーらと展開していく意向を示した。



URL
  マイクロソフト株式会社
  http://www.microsoft.com/japan/

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( 朝夷 剛士 )
2004/04/27 18:24

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