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日立、2003年度決算は2期連続増収も最終損益は前年割れ |
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ハードディスク事業は大幅改善したものの赤字計上
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売上高は、前年比5.4％増の8兆6324億円、営業利益は20.9％増の1848億円、税引前利益は144.9％増の2371億円、当期純利益は43.0％減の158億円となった。 「2期連続の増収、売上高では過去最高の実績」（八丁地隆執行役専務）と、収益面で成長を見せる一方、最終損益は前年割れ。だが、売上高、営業利益、税引前利益、当期純利益にすべてにおいて、昨年9月期の見通しを上回る結果となっており、「中期経営計画のi.e.HITACHIプランIIの目標達成に向けて、着実な歩みを見せている」とした。 事業部門別では、情報通信システムの売上高が、前年比22％増の2兆3145億円、営業利益は37％減の699億円と増収減益。 ソフト／サービスについてはアウトソーシングを中心に事業が堅調に推移、ハードでは米IBMから買収したハードディスク事業の売上高が加わったこと、さらに第3世代携帯電話向けデータ通信用基地が堅調だったが、ハードディスクドライブが赤字から脱却できないことから減収となった。だが、「ハードディスクは赤字とはいえ、当初見通しよりは大幅に改善している」として、2004年度の黒字化に意欲を見せた。 内訳では、ソフト／サービス事業が、売上高が前年比1％増の9906億円、営業利益は7％減の699億円。そのうち、ソフトの売上高は、14％減の1610億円、サービスの売上高は4％増の8296億円となった。 ハードは、売上高が45％増の1兆3238億円、営業利益が73％減の136億円。そのうち、ストレージは、90％増の6551億円、サーバーは前年並の1331億円、パソコンは3％減の1513億円、通信ネットワークは15％増の1284億円となった。 ストレージのうち、SAN/NASストレージソリューションは、2％減の2640億円。「これまでは高い成長を見込んでいたが、2005年度は、当初3500億円としていたものを2900億円に、2006年度は4000億円としていたものを3200億円へと目標を下方修正した」という。 一方、クライアントパソコンおよびPCサーバーを合わせた出荷台数は、2003年度実績で60万5000台。上期が27万8000台、下期が32万7000台となっている。また、2005年度は、上期31万台、下期37万台とし、合計68万台の出荷を見込んでいる。 なお、2004年度は、ハード、ソフト／サービス事業ともに、前年比2桁の売り上げ増を見込んでいる。 電子デバイスは、売上高が前年比16％減の1兆3123億円、営業利益は前年のマイナス232億円の赤字から、536億円回復し、304億円の黒字となった。売上高の減少は、三菱電機との合弁会社であるルネサステクノロジに半導体事業の大半を移管したことが大きく影響した。だが、携帯電話向けTFT液晶や平面テレビ向け大型液晶などの事業が第2四半期以降を急速に回復しているといった明るい材料もある。 デジタルメディア・民生機器は、前年比2％増の1兆2269億円、営業利益は12％増の69億円。白物家電が、国内の需要低迷の影響を受けたものの、プラズマテレビや携帯電話が伸張したことで増収増益となった。 また、電力・産業システムは、売上高が前年比横ばいの2兆2979億円。営業利益は36％減の339億円、高機能材料は売上高が4％増の1兆2970億円、営業利益が156％増の467億円、物流およびサービスが売上高が13％減の1兆2562億円、営業利益が5％増の5億円、金融サービスが売上高が5％減の5509億円、営業利益が86％増の223億円となった。 なお、2004年度の業績予想は、売上高は、前年比2％増の8兆8000億円、営業利益は62％増の3000億円、税引前利益は18％増の2800億円、当期純利益は530％減の1000億円とした。 「米国を中心としたIT関連の需要増加、中国の国内需要の増加、国内における設備投資の好調の維持、個人消費の下支えなどから、経済の緩やかな回復が見られる」として、「中期経営計画に基づき、経営資源を活用した新事業創出と注力事業への強化を進め、高収益体制への構造改革、財務体質強化を進めたい」としている。 情報通信システムの見通しは、売上高が前年比4％増の2兆4000億円、営業利益が63％増の1140億円。そのうち、ソフト／サービスが6％増の１兆0500億円、ハードが2％増の1140億円の売り上げを見込んでいる。 ■ ＵＲＬ 株式会社日立製作所 http://www.hitachi.co.jp/ 2004年3月期決算の概要 http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2004/04/0428.html
（ 大河原 克行 ）
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