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稚内北星学園大・丸山教授「Webサービスとグリッドを統合し、J2EE JBIはe-Businessの中心に」

~Java Hands-On-Lab at Wakhok-Tokyo 基調講演

 5月10日から14日まで、サン・マイクロシステムズ株式会社の主催、日本アイ・ビー・エム株式会社、日本オラクル株式会社、日本BEAシステムズ株式会社各社の共催により都内で開催されている「Java Hands-On-Lab at Wakhok-Tokyo」において5月10日、稚内北星学園大学 学長 丸山不二夫教授が「J2EEの動向とe-Businessの近未来」と題して基調講演をおこなった。講演の冒頭で丸山教授はWebサービスとWebサービスを結びつける「J2EE 1.4」と、グリッドとWebサービスを結びつける「OGSA」について触れ、今後J2EEがとげるであろう進化について語った。


稚内北星学園大学 学長 丸山不二夫教授
 2003年11月にWebサービスを標準でサポートする最新のJ2EEの標準仕様「J2EE 1.4」が発表された。Webサービスでは、SOAPプロトコルによりXML形式でデータがやりとりされる。下位プロトコルとして利用されるのは、HTTPなどのWebテクノロジーであり、これによってインターネットをベースとした分散コンポーネント環境が実現される。丸山氏は「Webサービス、つまりHTTP(ポート80)を利用することで、ファイアウォールを越えるJ2EE間の連携が可能になる」と語る。

 また、グリッドコンピューティングの国際標準規格である「OGSA(Open Grid Service Architecture)」について丸山教授は、「OGSAの提案は、これまでサイエンス(学術機関)を中心に論じられていたグリッドが、e-Businessビジネスの世界で標準のWebサービスを導入したという意味で画期的なことだった」と述べ、グリッドの世界とWebサービスとの統合が進んでいることを強調した。その上で、本来OGSAの中核となるべきグリッドインフラストラクチャである「OGSI(Open Grid Service Infrastructure)」は、新たにWebサービスとの統合を容易にする「WSRF(Web Service Resource Framework)」に置き換わっていくとしている。

 さらに丸山教授は、企業でのコスト削減へのニーズに応じてビジネスプロセスの自動化が関心を集めていることに触れ、ビジネスプロセスの記述を標準化する新たな処理モデルとしての「J2EE JBI(Java Business Integration)」を重要と位置づけている。

 「分散したコンピュータをネットワークによって接続してリソースを共有するグリッドと、J2EEのテクノロジーは今や異なるテクノロジーではない」と述べ、「近い将来これらのテクノロジーはWebサービス技術の下で協調していくことになる」と予想した。

 最後に丸山教授はJ2EE開発者の底辺を広げる上で教育が重要であることを強調し、「発展しつづけるテクノロジーに対応するためには教育が重要。企業での教育を否定するつもりはないが、より効率的に新しいテクノロジーを導入するため、もっと専門の教育機関である大学を活用してほしい」と語った。



URL
  Java Hands-On-Lab at Wakhok-Tokyo
  http://sdc.sun.co.jp/java/event/javahol.html
  稚内北星学園大学
  http://www.wakhok.ac.jp/


( 北原 静香 )
2004/05/11 19:58

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