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富士通、中堅企業ビジネス拡大に向けパートナー支援を強化


 富士通株式会社は6月14日、ISVを中心としたパートナーへの新たな支援策を導入し、中堅企業(年商30億円~300億円)向けビジネスを強化すると発表した。経営執行役 マーケティング本部長 兼 中堅市場ビジネス本部長の長野佳久氏は「2006年度までに中堅企業に対する売上を現在の2,200億円から3,200億円に、シェアを13%から20%への拡大を目指す」と意気込みを語る。


経営執行役 マーケティング本部長 兼 中堅市場ビジネス本部長 長野佳久氏

Piテンプレートの構成
 今回発表されたのは、(1)同社のIT基盤「TRIOLE」におけるシステムパターン「Pi(プラットフォームインテグレーション)テンプレート」の構成要素に、パートナーが開発した業務アプリケーションパッケージを追加し、同社のプラットフォーム製品と業務パッケージの組み合わせによる中堅企業向けPiテンプレートの開発、(2)新たなパートナー支援プログラム「パートナーアリーナ」を導入し、技術・プロモーション支援、情報共有の強化を図る、の2点。

 Piテンプレートは、システム構築にあたって必要とされる製品の組み合わせであらかじめ検証を行い、業種や目的別に体系化することで納期の短縮や安定運用などを実現するというもの。今回、新たに「中堅企業に対して提案する際に、もはや必須となった」(長野氏)業務パッケージを組み込んだPiテンプレートを開発することで、これまで大企業向けに積み重ねられたシステムパターンの実績を中堅企業向けビジネスにも適用させる考えだ。プラットフォームソリューションセンター長代理の平野一雄氏によると、Piテンプレートを適用することでシステム構築期間を約30%短縮することができるという。

 同社ではすでに先行事例として、IAサーバー「PRIMERGY」上で動作するディサークルの企業ポータルパッケージ「POWER EGG」と、オービックビジネスコンサルタントの基幹業務パッケージ「奉行シリーズ」との連携システムのPiテンプレートを開発したほか、2004年第2四半期中にはサイボウズのグループウェアパッケージ「サイボウズガルーン」と都築電気のグループウェアワークフロー製品「IntrameriT Workflow」との連携システムの開発が完了するとのこと。長野氏は「今後の展開は品ぞろえにかかっている」と、新たなPiテンプレートの開発を急ぐ考えを示したが、具体的な目標数などについての明確な回答は避けた。


パートナーアリーナセンターの位置づけ
 パートナーアリーナは、従来から提供してきたパートナー支援プログラムを強化したもので、新たに「パートナーアリーナセンター」を100人体制で同社中堅企業向けビジネス本部内に開設し、技術支援、プロモーション支援、情報提供などを行う。代表的なものとして、パートナーパッケージ関連システムの検証を行う「Piセンター新宿」を新たに開設するほか、マイクロソフトと共同で.NET技術支援プログラム、レッドハットと共同でLinux技術支援などを提供する。また、従来からのプロモーション支援や情報共有も強化し、新規ユーザーの開拓やビジネスマッチング支援、パートナー同士の情報共有の場の提供も行うとのこと。

 すでにパートナーアリーナには、株式会社内田洋行、株式会社オービックビジネスコンサルタント、サイボウズ株式会社、ソレキア株式会社、大興電子通信株式会社、都築電気株式会社、ディサークル株式会社、ピー・シー・エー株式会社、富士電機ITソリューション株式会社、扶桑電通株式会社、ミツイワ株式会社の11社が参加表明している。



URL
  富士通株式会社
  http://jp.fujitsu.com/
  ニュースリリース
  http://pr.fujitsu.com/jp/news/2004/06/14.html
  パートナーアリーナについて
  http://sme.fujitsu.com/partnerarena/index.html

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( 朝夷 剛士 )
2004/06/14 16:15

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