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シスコ、「アグレッシブにIT化を支援する」中小企業向けパッケージの投入を表明


シスコシステムズ 代表取締役社長、黒澤保樹氏
 シスコシステムズ株式会社(以下、シスコ)は6月16日、パートナーとの連携により、中小・中堅企業向け事業を強化する。これは米Cisco Systemsが4月に、中小企業向けソリューション「Cisco SMB Class Solutions」に対し、今後2年間で20億ドルの投資を行うと発表したことを受けたもの。日本では7月から同ソリューションを展開するが、今回発表されていない、中堅企業に最適化したソリューションも、将来的に提供していく予定。

 ここで言う中小企業とは、従業員が20~300名未満の会社を指す。シスコの代表取締役社長、黒澤保樹氏が「ITを利用して生産性をいかに上げるかが競争力強化の鍵。これは大企業も中小企業も同じだ」と述べたように、中小企業でも、ITをいかに活用してコストを下げるか、またITを使ってどうビジネスプロセスを変えていくか、といった課題を持っているところは多い。同社が現在力を入れているのは、IPテレフォニー、セキュリティ、ワイヤレス、オプティカル、ストレージ、ネットワークドホームといった分野だが、黒澤氏はこうした分野に対する中小企業のニーズに対し「むしろ大企業よりも経営者は敏感。しかし、どうやったらいいかわからないという声をよく聞く」と述べ、わかりやすいパッケージとして提供することで、中小企業市場でも受け入れられると説明した。

 そこで同社では、複数の製品をバンドルして特別価格で提供するとともに、ITトレーニング、サービス、サポートの提供もあわせて行い、中小企業市場への浸透を図る。提供形態としては単純な販売ではなく、中小企業の負担にならないよう「20人規模企業でセキュリティ、ワイヤレス、IPテレフォニーの各製品を導入すると月いくら」というような月額課金方式を採用する考えで、リース形態でも提供するなどファイナンス面の支援も検討されている。ソリューションの具体的な価格については、現在考慮中とのこと。

 またシスコでは、SMB市場に影響力を持つパートナーとともにこれらを展開する意向で、発表の場には、ソフトバンクBB株式会社、ダイワボウ情報システム株式会社(以下、DIS)の2社が同席した。今回発表されたソリューションに関して、DISの販売推進本部 シスコグループ マネージャ、西田善紀氏が「小規模IPテレフォニー、事前の電波調査を含めた無線LAN、ファイアウォールやVPNなどの各ソリューションを提供する」ことを明らかにしたほか、ソフトバンクBBの流通営業本部 副本部長、鈴木茂男氏は「中小企業ではセキュリティの総合対策が遅れているので、妥協なき対策を一緒になってやっていきたい」とコメントした。

 なおシスコでは、6月30日から幕張メッセで開催される「NETWORLD+INTEROP 2004 TOKYO」の同社ブースで、ソフトバンクBBやDISとともに中小企業向けソリューションのデモを行うとしている。



URL
  シスコシステムズ株式会社
  http://www.cisco.com/jp/
  ソフトバンクBB株式会社
  http://www.softbankbb.co.jp/
  ダイワボウ情報システム株式会社
  http://www.pc-daiwabo.co.jp/


( 石井 一志 )
2004/06/16 18:56

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