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XMLを使ってFlashアプリケーションが開発できるサーバーソリューション「Macromedia Flex」

~JavaWorld DAY 2004

 6月22日に都内で開催された月刊JavaWorld(株式会社IDGジャパン)主催のイベント「JavaWorld DAY 2004」において、「Java開発者向けのリッチクライアントテクノロジー -日本初 Macromedia Flex プレビュ-」と題し、マクロメディア株式会社 サーバーテクノロジーマネージャー 須賀正明氏による「Macromedia Flex(以下、Flex)」の紹介とデモが行われた。


マクロメディア株式会社 サーバーテクノロジーマネージャー 須賀正明氏
 J2EE環境ではユーザーインターフェイスが大きな問題となる。Webブラウザによって実現するクライアント(シンクライアント)は、多くのユーザー(特に大量の入力を必要とするユーザー)にとってあまり使い勝手の良いユーザーインターフェイスではないといえる。そのためC/S環境でのファットクライアントから移行できないユーザーも多い。最近ではJSP(Java Server Pages)の登場で、にわかにシンクライアントからリッチクライアントへ移行するための技術が注目を集めている。そんな中でマクロメディアは大きな注目を集めるソリューションを市場に投入しようとしている。

 「Macromedia Flexとは、XMLを使ってFlashアプリケーションが開発できるサーバーソリューションです」と須賀氏は語る。Flexは、J2EE環境のWebサーバー上で動作するスクリプトの処理環境である。FlexのスクリプトはMXML(Macromedia Flex Markup Language)と呼ばれるXMLをベースとした言語で記述される。クライアントからリクエストがくると、FlexはMXMLに記述されている内容に従って動的にFlashデータを生成し、クライアントに返信する。クライアント側ではアプリケーションとしてFlash Playerを利用し、サーバーから送信されてきたデータを展開するのである。

 須賀氏はFlexを「クライアント層」と「プレゼンテーション層」に位置する製品であり、よりクライアントサイドに近い部分の処理を実行すると強調する。ビジネスロジック部分を処理するシステムはJ2EEアプリケーションサーバー上に構築し、よりフロントエンドに近いクライアントとのやりとりなどをFlexによって生成するのである。これによって既存の資産も有効に活用できるとしている。


Macromedia Flexのアーキテクチャ さまざまなプロトコルに対応している

現在開発中のMXMLページ開発環境「Brady」
 マクロメディアのFlashはこれまで、比較的デザイナー寄りのツールとされ、タイムラインと言ったプログラマーにはなじみのない知識を必要とする開発がメインであった。しかし、FlexのMXMLファイルはXMLをベースとしたテキスト形式のデータであり、通常のテキストエディタやXMLエディタ、あるいはJ2EE統合開発環境から簡単に利用することができる。もちろん、マクロメディア自身も自社のHTMLオーサリングツール「Dreamweaver」をベースとしたビジュアルなMXMLページ開発環境「Brady(開発コード名)」を開発中である。これまでコンテンツ開発ツールで培ったノウハウを活かし、ウィンドウ内をタブによってページ遷移するといった凝ったインターフェイスも、Bradyでは簡単に開発できるという。

 講演中にはFlexによって実現しているさまざまな事例が紹介された。これまでもFlashが強い分野だったBtoCでのANAやMAZDAといった事例にとどまらず、C/S環境から移行した保険会社の入力システム、エンタープライズポータルでの導入事例も紹介している。特にWebブラウザを利用するクライアントで問題になるキーボードイベントも、Flashであれば簡単に制御可能であるという。


ANAの国内線空席照会の画面、到着先を選択している 照会対象の路線を選択したところ 自動車購入時のオプション選択画面

保険会社の入力システム。キーボードイベントを制御し、ファンクションキーなども利用可能 エンタープライズポータルでの利用

 講演中須賀氏は、「現在Flash Playerの動作しているPCはおよそ5億台といわれ、PC全体の98%といわれています。また、運悪く残りの2%のPCを持っていたとしても、わずか60秒でソフトウェアをダウンロードして利用することが可能です。ここまで普及しているクライアントソフトウェアは他に類をみません。まさにユビキタスなクライアントと言えるでしょう」と述べ、Flashがリッチクライアントソリューションのオープンスタンダードであることから、マクロメディアが競争優位に立つ点を強調した。



URL
  JavaWorld DAY 2004
  http://www.idg.co.jp/jwday/
  マクロメディア株式会社
  http://www.macromedia.com/jp/


( 北原 静香 )
2004/06/23 11:42

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