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サン、「ユーザーのアイデアを実現可能か検証する」RFID検証センターを開設
サン・マイクロシステムズ株式会社(以下、サン)は6月23日、無線ICタグの検証センター「Sun RFIDデザインセンター(以下、RFIDデザインセンター)」を、同社の本社内(東京都世田谷区用賀)に開設、7月1日より運営を開始すると発表した。
代表取締役社長 ダン・ミラー氏
テクノロジー&ソリューション統括本部 執行役員 チーフ・テクノロジスト 植松祐次氏
RFIDデザインセンターは、無線ICタグの導入を検討しているユーザーらが、システム構築や動作に関する実証実験を無償で行うことができる施設。同社が2000年より運営している統合実証センター「iForce Solution Center」の設備と共有され、すべてのサン製品やパートナーのソフトウェアなどを利用できる。テクノロジー&ソリューション統括本部 執行役員 チーフ・テクノロジストの植松祐次氏は「ユーザーやパートナーのアイデアが実現可能かどうかを検証する場所」と説明する。
サンが提供する無線ICタグ技術は、「EPC(Electronic Product Code) Network」と呼ばれる、「モノがつながるネットワーク」のインフラ部分が中心となる。植松氏によると、このEPC Networkとは、従来ネットワークにつながっているコンピュータをEPCと呼ばれる無線ICタグに含まれる個体識別コードに置き換えたもので、DNSに相当する「ONS」、HTMLに相当するXMLベースの情報記述言語「PML」を介してデータベースに格納する。そしてこれらのデータを「RFID Event Manager」および「RFID Information Server」というソフトウェアで管理し、業務アプリケーションと連携させるというのが、基本構造だ。
すでに同社では、このEPC Networkを利用した実証実験を各パートナーと共同で進めており、物流管理やサプライチェーンマネジメントなどで試験的に稼働しているとのこと。6月22日には、サンとNTTコムウェア、大日本印刷の3社でEPC Networkを使った飲料用ペットボトル素材のコンテナ物流管理実証実験を終了し、認識率を向上させる技術的・運用なノウハウを蓄積し、99.9%以上のタグの認識率を達成したと発表した。また、米国の流通大手ウォールマートなど各国で実績をあげつつあるとのことだ。サン代表取締役社長のダン・ミラー氏は「業務で使えるめどが立った。今後いかにして管理しネットワーク化するかを検討べき時期にきている」とRFIDデザインセンターの開設に至った経緯を説明する。なお、同様の施設は米国ダラスですでに運営しているほか、スコットランドにも開設する予定だという。
EPC Networkとインターネットとの対比
EPC Networkのアーキテクチャ
植松氏は「サンは創業時からすべての製品・技術においてネットワークにつながることに焦点をあてていることから、無線ICタグ分野でもアドバンテージがある」と述べ、RFIDデザインセンターの開設も無線ICタグにおいてリーダーシップをとることが目的だと明かす。ただし、「さまざまなフェーズ、レイヤーで各パートナーの協力が必要。サンはトータルソリューションをユーザーに提供する」と、サンだけの閉じた取り組みではないことを強調した。
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URL
サン・マイクロシステムズ株式会社
http://jp.sun.com/
ニュースリリース
http://jp.sun.com/company/Press/release/2004/0623.html
ニュースリリース(EPC実証実験の結果について)
http://jp.sun.com/company/Press/release/2004/0622.html
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