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米AMD、モバイルのシェア拡大に向けCPU設計拠点を国内に設立


 米AMDは6月24日、モバイルプラットフォームの設計拠点の一つとして「AMD JEL(Japan Engineering Center)」を日本AMD本社内に設立したと発表した。


アジア太平洋地域マーケティング本部長 サム・ローガン氏(左)、コンピュテーション製品グループ担当エグゼクティブバイスプレジデント ダーク・マイヤー氏(中)、コーポレートバイスプレジデント兼 日本AMD代表取締役社長 堺和夫氏(右)

ノートPC市場の成長予測
 AMD JELは、米AMDが今後ワールドワイドで開発に注力していくという、ノートPCや情報家電などのモバイルプラットフォームの設計にあたり、日本のエンドユーザーのリサーチやIT・情報家電ベンダーとの連携を行う拠点として活動する。米AMDコーポレートバイスプレジデント兼日本AMD代表取締役社長の境和夫氏が「モバイルの世界的トレンドセンター」と表現する日本の市場動向を、ワールドワイド向けに開発する製品に反映していく考えだ。

 米AMDは、Athlon 64やOpteronなどの64ビットプラットフォームでデスクトップPCやサーバーで勢力を伸ばしつつあるが、ノートPCをはじめとしたモバイル分野では「まだわずかなシェア」(米AMDアジア太平洋地域マーケティング本部長 サム・ローガン氏)にとどまっている。米Gartnerの調査によると、全世界のノートPC市場は2008年までに出荷台数ベースで年平均16.5%と、デスクトップPCの3倍以上のペースで成長すると予測。この中で米AMDでは、特にA4サイズの薄型軽量タイプが半数以上を占めると見込んでいる。すでに日本では、ほかの地域と比較して多くのベンダーからこのタイプのPCが発売されており、AMDもここを中心にPentium Mでほぼ独占するIntelの牙城切り崩しを狙う。

 またローガン氏は、「ノートPCでシェアを伸ばすには、コンシューマだけでなく法人ユーザーにも認知してもらう必要がある」と述べ、企業向けPCへの取り組みを強化する意向を明らかにした。

 ノートPC以外では、携帯端末や家電などに対してx86プラットフォームの採用を働きかけ、低消費電力のスモールファクタ向けCPUであるGeode(ジオード)を展開していく方針だ。米AMD コンピュテーションプロダクトグループ担当エグゼクティブバイスプレジデントのダーク・マイヤー氏は「x86はPC・サーバーだけでなくストレージやハンドヘルドPCでも採用が始まっている。今後さらに広い領域で利用が進むだろう」と述べ、情報家電分野においてもPCの水平分業型を推進していく考えを示した。



URL
  米AMD
  http://www.amd.com/
  日本AMD株式会社
  http://www.amd.com/jp-ja/

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( 朝夷 剛士 )
2004/06/24 15:26

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