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日立とNEC、基幹系ルーター・スイッチ事業会社を10月に設立へ


日立 執行役専務 古川一夫氏(左)と、代表執行役 執行役副社長 小野功氏

NEC 代表取締役副社長 矢野薫氏(左)と、執行役員常務 山本正彦氏(右)
 株式会社日立製作所(以下、日立)と日本電気株式会社(以下、NEC)は6月25日、基幹系ルーターおよびスイッチの開発から設計、販売、保守までを一貫して行う合弁会社を10月をめどに設立することで基本合意したと発表した。新会社の名称は未定、資本金は55億円を見込み、出資比率は日立が60%、NECが40%、従業員は開発を中心に両社からの出向で約350名を予定している。

 新会社が取り扱う製品は、主にISPや大企業の利用が想定されるハイエンド・ミドルレンジクラスのルーターやスイッチ。これらは、シスコシステムズやジュニパーネットワークスといった海外ベンダーが勢力を伸ばしており、「お互いが苦戦している」(NEC代表取締役副社長 矢野薫氏)分野だ。日立執行役専務 古川一夫氏は、新会社は「(シスコとジュニパーを)強く意識して」設立するものとしている。日立の「ファームウェアをはじめとしたソフトウェア技術」(古川氏)と、NECの「トラフィックが集中しても速度を落とさない可用性」(NEC 執行役員常務 山本正彦氏)といった得意分野の融合、および半導体部門などのバックグラウンドを活用することで競争力をつけ、これに対抗していく構えだ。なお、新会社にSEやSIは配備されず、インテグレーションなどは日立・NEC両社で行う。

 日立 代表執行役 執行役副社長の小野功氏によると、新会社による新製品の開発はすでに両社共同で進められており、「年度内には発売できる見込み」だという。新会社の売上目標については、2005年度で約400億円とするほか、「2005年までは開発への投資を優先させる予定だが、2006年度には単年黒字化を目指したい」とのこと。また、当面は9対1の割合で国内を中心に展開し、シェア30%獲得を目標としている。海外への展開は、中国や韓国などアジア地域を中心に「まず(国内で)地盤を固めた後、できるだけ早く進出したい」という。

 小野氏は新会社を設立するメリットについて、「製品開発のスピードアップと、それに負けない経営判断の迅速化」であることを強調する。当初はハンドリングに両社が加わるが、1年後をめどに新会社自身に経営判断を委ねる予定とのこと。海外ベンダーに先手を打たれ奪われたシェアを、身軽な新会社で奪還するのが狙いだ。



URL
  株式会社日立製作所
  http://www.hitachi.co.jp/
  日本電気株式会社
  http://www.nec.co.jp/
  ニュースリリース
  http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2004/06/0625a.html


( 朝夷 剛士 )
2004/06/25 15:48

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