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出展企業に聞いた「N+Iで普段着の来場者が多い理由」


N+Iの展示会場
 6月28日から5日間にわたって開催された「NetWorld+Interop 2004 Tokyo(以下、N+I)」が7月2日閉幕した。会期中はインターネットを中心としたネットワークにかかわるさまざまな展示や講演が行われたが、そのほとんどが企業を対象としたものだ。しかし来場者を観察してみると、スーツを着たビジネスマンよりもラフな格好をした若い人が多いことに気づく。また各展示ブースをのぞくと、ほかのビジネス系イベントと比べて華やかなセットや露出度の高い派手なコスチュームを着たコンパニオンが目立つ。一見、コンシューマ向けのイベントに来たような錯覚さえ覚えてしまう。

 もちろん、来場者のほとんどは“仕事”で来ているのは間違いない。ある大手企業ブースの説明員は、「N+Iがほかのビジネス系イベントと違うのは、営業マンよりもネットワーク構築の現場で働くエンジニアが多く集まることでしょう」と話す。特にネットワークエンジニアは比較的年齢層が低く、ラフな格好で業務を行っている場合も多いため、来場者の普段着率が高くなるようだ。


スーツより普段着姿が目立つ来場者
 「彼らは新製品よりも、自分の業務で困っていることを解決してくれる手段やソリューションに興味があるようです」と説明員は続ける。例えばセキュリティの問題や、繰り返される単純操作をいかに効率的に行えるか、などが考えられる。逆に彼らが新たに導入する製品を選ぶ機会はあまりなく、それらを選択しユーザーに提案するのはスーツを着た営業マンやSIerの仕事だ。実際、N+Iからすぐに商談に結びつく機会はイベント規模の割に少ないそうだ。この説明員がいたブースも、この流れに気づき数年前から問題解決のソリューション提案に力を入れており、展示されている製品はそれらの引き立て役に近いと説明員は明かす。

 そして若いエンジニアをはじめとしたお客様をブースに導くのがコンパニオンの仕事だ。ブースの入り口に彼女らは陣取り、コスチュームとノベルティー(景品)を武器にアンケートを勧めてブースの中に導く。ブースの入り口はセットや彼女らによってにぎやかだが、中に入ればコンパニオンの代わりに出展企業の社員をはじめとした説明員が相手となり、ネットワーク機器やソリューションを説明するボード、カタログといった、出展企業とお客の“本来の目的”となる展示物が並ぶ。お客と同じ世代の出展者側のエンジニアが説明員となり、悩みに同調して心をつかみ、解決策を提案するといった心理的作戦をとるところもあるそうだ。

 コンシューマ向けのイベントは製品自体に関心の高いユーザーが集まるのでモノが主役となるが、ビジネス系イベントはいかにユーザーに理解してもらうかにかかっておりヒトが主役といえる。イベントへの出展が多い企業は、過去の経験などからイベントごとの来場者の傾向をつかみ、それに合わせたブースをかまえて成果をあげようとしている。



URL
  NetWorld+Interop 2004 Tokyo
  http://www.interop.jp/


( 朝夷 剛士 )
2004/07/05 17:05

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