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「近未来のオフィス」を富士通が公開

富士通ソリューションフォーラム2004

 富士通株式会社は7月7日から9日までの3日間、東京国際フォーラム(有楽町)にて、同社の取り組みに関する展示や講演などを行うイベント「富士通ソリューションフォーラム2004」を開催する。7月6日には開会に先立ち報道関係者向けに展示会場が公開された。

 展示会場の大半は「ユビキタス近未来コーナー」と題し、RFIDタグや携帯端末などをオフィス環境や施設に応用することで、何がどのように便利になるかをデモンストレーションを交えて紹介するブースが占めていた。

 富士通が提唱する近未来のオフィスは、PDAや携帯電話の形をした「ユビキタスIP電話端末」が、従業員の個人認証とすべての情報の入出力を管理し、書類やノートパソコンなどを持ち歩かなくても、さまざまな端末から情報が取り出せるというもの。例えば携帯端末を会議室のPCに向けてボタンを押せばプレゼンテーションデータが現れ、プリンタに向ければ印刷を行う。また、どのPC端末からでも自分のデスクトップ環境を呼び出せる「シンクライアント端末」や、従業員の位置情報をリアルタイムで管理し、どこでも内線を受けられるといったオフィス環境を紹介していた。これらは同社の蒲田ソリューションセンターで実際に運用しているとのことで、遠い先の話ではないことをアピールしていた。


情報の入出力を管理する携帯端末 携帯端末をかざすことで、どのPCでもデスクトップ環境を呼び出せるシンクライアント端末 参考出品された「ユビキタスIP電話端末」

アクセスが集中したため、センターからサーバーリソースが割り当てられるイメージ。「約30秒ほどで完了する」とのこと
 「ユビキタス時代のデータセンター」ブースでは、システムの可視化、およびデータの負荷に応じサーバー資源を割り当てる「ユーティリティ運用」のデモンストレーションが実機を使って行われていた。例えばWeb上で新製品を発売する際にアクセスが集中した場合、負荷の上昇を自動的に感知してプールされていたサーバーを自動的に割り当て、負荷を分散させるというもの。このような運用は以前より他社でも紹介されてきたものだが、「従来はサーバーの負荷率によって割り当てが管理されていたが、富士通ではユーザーから見た応答時間に応じて割り当てを行うことができる」と違いを説明していた。

 このほかユビキタス近未来コーナーでは、ショッピングセンターでのRFIDタグを利用した商品管理や自動決済、静脈認証や顔識別などのバイオメトリクス技術によって個人認証を行う銀行のATMなど、同社の最新技術を使った応用例のデモンストレーションや体験コーナーが設けられていた。

 また「TRIOLEコーナー」では、6月に発表された「SPARC64 V」を搭載するUNIXサーバー「PRIMEPOWER」や、10Gigabit Ethernetスイッチ「XG800」など最新機器の実機が一同に展示されていた。特にItanium 2搭載の基幹IAサーバーの試作機は「実機の公開は今回が初めて」とのことで多くの人目を引いていた。


初公開された基幹IAサーバーの試作機 10Gigabit Ethernetスイッチ「XG800」


URL
  富士通株式会社
  http://jp.fujitsu.com/
  富士通ソリューションフォーラム
  http://solutionforum.fujitsu.com/


( 朝夷 剛士 )
2004/07/07 09:47

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