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公取委、独禁法違反で米Microsoftに排除勧告

Microsoftは抗戦の構え

 公正取引委員会(以下、公取委)は7月13日、米Microsoftと各PCメーカーとの間で締結されたWindows使用許諾契約が独占禁止法に違反するとして、Microsoftに対し排除勧告を行った。

 公取委によると、MicrosoftはPC用OSの独占的地位を利用し、各PCメーカーにWindowsをライセンスする際に、PCメーカーが保有する特許がWindowsによって侵害されてもMicrosoftやほかのPCメーカーに対して訴訟を提起できないとする規定「非係争条項」を含む契約を締結させたとしている。

 公取委は2004年2月にマイクロソフト日本法人に立ち入り検査を実施、これを受けMicrosoftは契約から非係争条項を削除すると表明した。しかし2004年7月31日まで有効とする現行の契約、およびそれ以前に締結した契約には、契約の解除・終了後も非係争条項が存続する旨の規定があるため、今後も非係争条項は有効となる。このため公取委は今回の勧告に踏み切ったとされている。

 排除措置の概要は、日本国内のPCメーカーと締結した現行・過去の契約書から非係争条項に関する規定の破棄、今後特許が侵害された場合の訴訟提起を妨げない旨の通知、および今後この種の訴訟の妨げを行わないこと。

 これに対しMicrosoftは同日発表した声明の中で勧告に対して異議を表明、応諾しない構えを見せており、7月26日より審判に進む見通し。



URL
  公正取引委員会
  http://www.jftc.go.jp/
  米Microsoft
  http://www.microsoft.com/
  公取委「マイクロソフトコーポレーションに対する勧告について」(PDFファイル)
  http://www2.jftc.go.jp/pressrelease/04.july/04071301.pdf
  マイクロソフトプレスリリース
  http://www.microsoft.com/japan/presspass/detail.aspx?newsid=1980
  Microsoft、排除勧告に抗戦の構え(PC Watch)
  http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2004/0713/ms2.htm
  公取委、マイクロソフトに立ち入り検査(PC Watch)
  http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2004/0226/ms.htm

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( 朝夷 剛士 )
2004/07/13 19:41

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