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デル、「基幹システムを標的」とするサーバー戦略


 デル株式会社代表取締役社長の浜田宏氏は8月2日、同社が展開するサーバーの標準化事業を強化し、基幹システムなどハイエンドのメインフレームやUNIXサーバーをターゲットとしたマイグレーションの推進を強化していく方針を明らかにした。


デル株式会社 代表取締役社長 浜田宏氏
 事業強化にあたり、8月より大企業向け営業部門内にエンタープライズ専任チームを編成し、浜田氏が「日本トップクラスの技術力」「売上が毎年倍増している」と自負する技術コンサルティング部門「デル・プロフェッショナル・サービス事業部(DPS)」と連携して営業活動を開始する。

 また、インテル、マイクロソフト、オラクル、EMCらパートナーと共同でカスタマーセミナーなど共同マーケティング活動を展開。第1弾として9月より今回発表された新モデルとマイクロソフトが開発中のWindows Server 2003 for 64-bit Extended Systems、SQL Server 2005、Visual Studio 2005の評価版を組み合わせた「早期導入支援プログラム」を実施する。

 同社は、Webなどを通じてユーザーからダイレクトに受注することで他社より低価格で販売する「デルモデル」を展開し、サーバーにおいても1997年の参入よりシェアを拡大して、2004年第1四半期にはシェア1位(ガートナー調査)を獲得した。しかし浜田氏は「価格だけで売っているのではない」と、従来のイメージを払しょくしコンサルティングやサポートなどのサービスを強化して、より基幹部分に対しても事業を拡大していく考えだ。

 同社が展開するのは「スケールアウト」と呼ばれる2/4WayのIAサーバーを必要に応じて追加していくことでTCOの削減とROIの向上を図る方法。すでに三共製薬の「世界最大規模のWindowsベースのSAPシステム」や新生銀行のATM、理化学研究所のHPCC、カルチャーコンビニエンスクラブのTSUTAYA Onlineなど「数百の例がある」という実績から、「必ず数年以内にハイエンドでもマーケットリーダーになれる」と浜田氏は自信を示す。


EM64T対応Xeonを搭載する2Wayサーバーを発売

新モデルのラインアップ

DRACの概要
 同社はIAサーバー「PowerEdge」シリーズのラインアップを一新し、EM64T対応Xeonを搭載しシステム管理機能を強化した2Wayサーバー「PowerEdge 2850」「同2800」「同1850」「同1800」を発表した。2Uサイズのラックマウント型「PowerEdge 2850」と1Uサイズの「同1850」は同日より、タワー型の「PowerEdge 2800」「同1800」は10月より発売する。

 新モデルには特定のハードやOSに依存せずモニタリングを可能とする「IPMI 1.5」に準拠したシステム管理インターフェイスを採用し、遠隔地からの管理・運用を可能とするソフトウェア「OpenManage 4.0」を標準搭載する。またオプションで提供されるリモート管理カード「DRAC(Dell Remote Access Controller)4」を利用すれば、リモートでCD-ROMやFDからの起動やActive Directoryとの連携、OSに依存しないオペレーションなどが追加される。

 価格はPowerEdge 2800が30万2400円から、同1850が24万4650円から。浜田氏は今回発表の4モデルを「UNIXからIAサーバーへの移行をけん引するリーダー的製品」と位置づけている。



URL
  デル株式会社
  http://www.dell.com/jp/
  プレスリリース
  http://www1.jp.dell.com/content/topics/segtopic.aspx/pressoffice/2004/040802?c=jp&l=jp&s=corp

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( 朝夷 剛士 )
2004/08/02 19:16

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