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IIJ、2004年度第1四半期決算は3期連続の黒字

VPNなどの付加価値サービスとシステム運用サービスが好調

 株式会社インターネットイニシアティブ(以下、IIJ)は8月10日、2004年度第1四半期決算を発表した。売上高は86億7500万円で、前年同期比4.0%増ながら前期比では25.3%減となる。営業利益でも1億円の赤字となり、前年同期のマイナス12億600万円から大きく改善したものの、前期の3億5000万円からは減少している。また償却前営業利益でも前期13億5800万円から11.5%減少の8億8400万円で、前年同期のマイナス2億4300万円からは増加している。

 当期利益は14億3400万円で、営業損失の改善と保有株式の含み益による税効果により前期6億6900万円、前年同期のマイナス24億7500万円から増加し、3期連続の黒字となった。

 接続事業は単価の下落により引き続き減少傾向だが、インターネットVPNなどの付加価値サービスと、ネットワーク・ソリューション事業への注力によりこれを補った。またSI事業での運用サービスの売上も、前年同期の落ち込みから改善して着実に増加している。

 第1四半期はIT投資への季節変動要因により、年度中の売上高が最も低くなるため、前期比でのマイナスは大きな要因とならず、第2四半期には、企業のアウトソーシング需要に応えたセキュリティやメールなどでの付加価値サービスやシステム運用サービスを拡大して、さらに売上高の増加を図ることで、2004年度の見通しとしては営業利益、当期利益双方での黒字を見込んでいる。


 事業セグメント別にみると、インターネット接続及び付加価値サービス事業では、専用線接続サービスの売上高は29億1800万円で、前年同期比で12.1%、前期比でも5.9%の減少となる。なかでも1.5Mbpsまでの機能限定型接続サービスが、前年同期比で46.4%、前期比でも17.1%減とマイナスが大きい。一方、Bフレッツ、ADSLなどのブロードバンド対応型サービスは3億6400万円と売上げ規模は小さいものの、前年同期比で33.3%、前期比でも5.5%のプラスとなっている。

 契約数で見ても、専用線接続サービスでは、768Kbpsまでの低帯域サービスで減少している一方、100Mbpsまでの中帯域サービス、それ以上の高帯域サービスでは増加している。機能限定型サービスも減少、ブロードバンド対応型サービスは増加している。

 ダイアルアップ接続サービスは売上規模そのものが7億5200万円とすでに縮小しており、前年同期比は2.0%減、前期比も0.8%減と変動幅が少ない。付加価値サービスの売上高は11億8700万円で、前年同期比20.2%増、前期比でも7.5%増と成長が目立つ。

 これら接続サービスの提供原価は48億1100万円で、前期比では変わらないものの、前年同期比では8.1%のマイナス。うちバックボーンコストは9億8500万円で、前年同期比で25.3%減、前期比でも7.7%減となっており、同社ではこの傾向が続くと見ている。

 SI事業全体の売上高は、26億9500万円で、前期比では32.7%減少ながら前年同期比では11.9%の増加となった。うちシステムインテグレーションは10億400万円で、前年同期比14.1%減、前期比では59.6%の大幅減となった一方、システム運用アウトソースサービスが、前年同期比で38.3%増、前期比でも15.8%増となり、安定的な収益源となっている。

 これに伴い原価も21億5700万円と、前年同期比で7.2%減、前期比で29.4%の減少となり、粗利益も5億3800万円と、前年同期の8500万円から大幅に増加した。ただ年度末である前期の9億4700万円と比べると43.2%の減となった。



URL
  株式会社インターネットイニシアティブ
  http://www.iij.ad.jp/


( 岩崎 宰守 )
2004/08/10 17:26

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