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旅行業界の電子商取引標準「TravelXML 1.2」の勧告案が発表


 社団法人日本旅行業協会とXMLコンソーシアムは8月24日、旅行業界内での電子商取引の標準規格「TravelXML 1.2」を勧告案として一般公開した。

 TravelXMLは、これまで旅行会社ごとに定義されていた旅行業EDIの仕様をXMLをベースに標準化したもの。またインターネットを採用し、旅行業界における国内外の宿泊施設、ツアーオペレーター、旅行業者などをリアルタイムで結ぶことで、業界全体のシステムを効率化し、スピードの向上とコスト削減、顧客サービスの向上を目指している。なお協会では仕様設計にあたり、導入を容易にして現在のシステムへの影響を最小限にするように配慮したとしている。

 TravelXML 1.0では、海外ホテル/ツアーオペレータへの手配データ、国内旅館・ホテルとの在庫照会・予約に付随する手配データについての提供仕様が定められ、TravelXML 1.1では、パッケージツアーの在庫照会・予約に付随する通知類の仕様が追加されていた。

 今回発表されたTravelXML 1.2では、旅行会社/国内宿泊施設の決済データ、国内宿泊施設からの施設情報・タリフ情報類、旅行会社からサプライヤーへの提供企業情報の各標準仕様が定められている。これら仕様により、国内宿泊におけるカタログ情報の提供から注文、決済までの商取引すべてを網羅したことになる。

 また今回の勧告案は標準化第2フェーズの最初の段階に位置づけられており、今回の公開によるパブリックレビューを経て、正式な仕様として定義される。今後は第二段階として、パッケージツアーの商品内容データ、海外宿泊施設・観光施設からの施設情報・渡航手続・見積/タリフデータ類の各標準仕様を2004年度末をめどに開発される。

 標準化にあたって、社団法人日本旅行業協会では、旅行業経営委員会内に「IT化推進部会」を設置し、各企業が現在行っているシステム上の取引手順、電文などに関する調査を実施した。一方のXMLコンソーシアムでは「TravelXML標準化部会」を設置し、手順や電文のXML化、ドキュメント整備を担当した。



URL
  社団法人日本旅行業協会
  http://www.jata-net.or.jp/
  XMLコンソーシアム
  http://www.xmlconsortium.org/
  TravelXML仕様公開ページ
  http://www.xmlconsortium.org/wg/TravelXML/TravelXML_index.html

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( 岩崎 宰守 )
2004/08/24 18:53

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