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デル、250万円未満サーバーでトップシェア獲得も分類は「ニッチ」-IDC調査


 IDC Japan株式会社は8月26日、2004年第1四半期の国内における価格が250万円未満のサーバー(同社ではボリュームサーバーと定義)について市場動向の調査結果を発表した。

 それによると、国内ボリュームサーバー市場のシェアは出荷台数でデルが初めて1位を獲得し、次いでNEC、日本HP、富士通、日本IBMの順となった。また出荷金額では日本HPが1位で、次いでNEC、富士通、デル、IBMの順という結果となった。

 また同社は、これら上位ベンダー5社について独自の分析ツール「IDCリーダーシップグリッド」を用いた2000年から2004年第1四半期(1~3月期)までの出荷動向と競合環境を、「シェア獲得能力」と「市場機会獲得能力」の2つの評価基準によって測定した分析結果も同時に発表している。

 このうちシェア獲得能力で最も高い評価となったのはデル、次いで日本IBMが2位、日本HPが3位。デルは価格性能比が高い製品を市場に投入しており、主要製品セグメントにおける成長率が高いこと、また世界主要地域のすべてにおける成長率が高いことなどが高い評価に寄与しているという。日本IBMや日本HPにおいても、成長性の高い主要製品セグメントにおける成長率を高めていることが、評価結果に反映されているとのこと

 一方、機会獲得能力で1位に評価されたのは富士通で、NECが2位、日本IBMが3位となった。富士通は、業種別顧客カバレージが広いこと、製品面からみた国内サーバー市場カバレージが広いこと、および国内サーバー市場全体の出荷金額シェアが高いことなどが高い評価に寄与しているという。NECは、ボリュームサーバー市場の主要製品であるx86サーバーによる、業種面および製品面での市場カバレージの広さが評価に反映された。日本IBMは、製品面からみた国内サーバー市場カバレージが広いことと出荷金額シェアが高いことが評価に反映されたとしている。

 そして機会獲得能力とシェア獲得能力がともに高い「Leadership」に分類されるベンダーは日本IBM、機会獲得能力は高いがシェア獲得能力に課題がある「Legacy」に分類されるベンダーは富士通とNECの2社、LeadershipとLegacyの境界線上に分類されるベンダーは日本HPとなった。出荷台数トップのデルは、シェア獲得能力は高いが機会獲得能力に課題がある「Niche」に分類されている。

 国内ボリュームサーバー市場では強いベンダーと弱いベンダーのシェア獲得能力の差が広がる傾向にあり、今後さらに大きくなると考えられている。また当分の間、製品の競争力、中でも価格競争力が国内ボリュームサーバー市場において重要な成功要因であり続けるとしている。IDC Japanサーバーリサーチマネジャーの福冨里志氏は「国内ボリュームサーバー市場において成功を収めるには、短期的にはシェア獲得能力を高め、長期的には機会獲得能力を高めていく必要がある」と述べている。



URL
  IDC Japan株式会社
  http://www.idcjapan.co.jp/
  プレスリリース
  http://www.idcjapan.co.jp/Press/New/index.html


( 朝夷 剛士 )
2004/08/27 11:02

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