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MJSと日立ソフト、包括的提携で中小企業向け金融サービスなどを提供 |
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現在MJSでは一般企業のほか、8,400あまりの会計事務所を顧客にビジネスをすすめており、中小企業分野では会計システムなどを中心に実績をあげているという。しかし、セキュリティ関連サービスが手薄なことに加え、大企業向けの生産・製品管理システムを持たない、同分野向けの人材・ノウハウが不足している、などの課題を抱えている。 一方の日立ソフトでは、大規模システム構築のノウハウや実績、セキュリティ、各種基幹業務などのソリューションは持ちながらも、大規模顧客を想定とした組織であるため、「企業数が多く、案件個々は小さくても累積すると膨大な市場となる」（日立ソフト 執行役 小川常昭氏）中小企業レンジは市場として魅力的なものの、自社だけで打って出るには不向きだという。 そこで両社は、お互いの不得手分野をカバーするためのパートナーとして業務提携を行い、相互の事業拡大を図る考え。両社では、MJSの顧客である会計事務所は、顧問先企業として計56万にも及ぶ事業者を抱えており、これらを潜在的な顧客として事業を展開していく。また、両社の製品をもとに統合ソリューションを開発し、新規顧客の開拓も目指す。 ■ 複合ソリューションと中小企業向け金融支援サービスを展開
さらに後者の金融ソリューションでは、e-Japan戦略 IIの重点分野でもある「中小企業金融」に着目した。中小企業では現在、「資金調達が非常に厳しい」（MJSの経営管理部経営企画 広報IRグループ長 吉岡賢司氏）状況にあるという。また金融機関側でも、リレーションシップバンキング強化などの金融庁の指導もあり、中小企業向け融資に力を入れているものの、「スモール層（年商10億円未満）は数が多く、非常に手間がかかるため、ローコスト運営の徹底に対するニーズがある」（同氏）。 そこで両社では、インターネットによって融資の基準として利用される「財務データ」を受け渡す、中小企業金融の新しい仕組みを用意する予定。この基盤としては、日立ソフトのデータ保存システム「電子文書保存ReportMission」をベースとして用い、両社が共同で開発する。現状、競合となるサービスでは一部で紙文書を併用する必要があるが、「今回のサービスでは完全なペーパーレスを実現したい」（吉岡氏）とのこと。 対象となるユーザーは、MJSLINKのユーザー企業や、会計事務所向けソフト「ACELINK」を使用している事務所の顧客企業で、これらの企業・事務所が持つ会計データを変換して、データ保存基盤に受け渡す。また、MJSの子会社であるミロクユニソフトが店頭で販売しているパッケージソフト「かんたん会計」や、同じくミロクドットコムがサービス提供しているASPのユーザーも対象としていく意向だ。なおこれらのサービスでは、MJSの電子証明書発行サービスを利用してセキュリティを確保する。 今回の提携に関して、日立ソフトの執行役専務、山本章治氏は「MJSとはきれいな補完関係だと考えられる。（協業によって）複合サービス、ソリューションの商品化、新規のサービス事業など推進していく」と述べた。一方のMJSの代表取締役副社長、是枝周樹氏は「（同社の得意としている）会計事務所マーケットは寡占状態で、数年でドラスティックな業績の向上は望めない状況。それ以外の柱を立ち上げるため、新規の中堅ERP事業の本格化、会計事務所の顧問先企業に対するサービス事業の強化を図ることにした」とコメントしている。 ■ ＵＲＬ 株式会社ミロク情報サービス http://www.mjs.co.jp/ 日立ソフトウェアエンジニアリング株式会社 http://www.hitachi-sk.co.jp/ プレスリリース http://www.hitachi-sk.co.jp/News/News274.html ■ 関連記事 ・ 第一回・会計ソフト業界が今変化する理由（2004/08/18） ・ 第二回・「隠れた大マーケット」会計事務所を巡るビジネス（2004/08/25）
（ 石井 一志 ）
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