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国内サーバー市場「マイナス成長とはいえ明らかに改善」-IDC調査


 IDC Japan株式会社は8月30日、2004年第2四半期(4~6月)の国内サーバー市場動向を発表した。

 これによると、2004年第2四半期のサーバー市場規模は1,479億円で、前年同期と比較して0.6%減少となった。これにより3%以内のマイナス成長が3四半期続いたことになるが、それ以前が4四半期連続で2ケタ減少していたことから、IDC Japanは「マイナス成長とはいえ、市況は明らかに改善したといえる」としている。また、2004年第2四半期の出荷台数は10万5,000台で前年同期比15.3%増となり、5四半期連続の2ケタ成長を達成した。

 IDC Japanは、国内サーバー市場は2003年第1四半期から出荷台数が増加し、2003年第4四半期からは出荷金額においても回復傾向を示していることから「サーバー需要は引き続き上向いている」としている。IDC Japanサーバーリサーチマネージャーの中村正弘氏は「メインフレームとRISCサーバーの買い替え需要が目に見えて回復している。これが出荷金額を押し上げている。西暦2000年問題対応で1999年前後にサーバーを購入した多くのユーザーが、そろって買い替え時期を迎えていることもプラス要因になっている」と述べている。

 状況を製品カテゴリ別にみると、x86サーバー市場の出荷台数が前年同期比15.4%増と好調を維持している反面、出荷金額は平均単価の下落が加速していることなどが要因で同0.2%増と伸び悩んでいる。IDC Japanサーバー リサーチマネージャー福冨里志氏は「日本IBMが2003年第4四半期の価格改定以後、出荷台数シェアを伸ばしており、競合ベンダーが対抗策を打ち出している。また、日本HPがデルを強く意識した対抗製品を投入するなど、ベンダーの競合がさらに熾烈になっている」と、価格競争激化の背景を分析している。

 x86サーバー以外では、メインフレームが出荷金額は前年同期比2.4%増、出荷台数は同12.5%増と堅調、出荷台数は3四半期連続で前年同期実績を上回っている。RISCサーバーは、出荷台数が前年同期比10.0%増と、3四半期ぶりにプラスに転じた。出荷金額は同6.9%減だが、2ケタのマイナスから脱している。IDC Japanでは、メインフレーム、RISCサーバーともに、既存ユーザーの買い替えが堅調に進むとみている。

 ベンダー別では、日本IBMが2期ぶりに富士通から1位を奪回した。日本IBMと富士通の2社で四半期ごとに首位が入れ替わる状態が2002年第1四半期から続いている。2位は富士通、3位は日本HPがランクインした。なお、2004年第2四半期に前年同期より出荷金額を増やしたベンダーは、日本IBM、富士通、日本HP、NEC、デル、東芝など。



URL
  IDC Japan株式会社
  http://www.idcjapan.co.jp/
  プレスリリース
  http://www.idcjapan.co.jp/Press/New/20040830Apr.html


( 朝夷 剛士 )
2004/08/31 19:28

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