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主要ベンダーのポジショニング
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IDC Japan株式会社は9月7日、2003年の国内におけるUNIXサーバー市場のベンダー動向の調査結果を発表した。
それによると日本HPがシェア33.1%を獲得し首位を獲得、2001年から3年連続でトップシェアを確保した。同市場は上位5ベンダー(日本HP、日本IBM、富士通、サン、日立)で全体の97.4 %を占めているが2001年以降、上位5ベンダーのうちサンだけがシェアを落とし、残りの4ベンダーがシェアを伸ばすという構図が続いているという。
また、上位5ベンダーのポジショニングを、IDCリーダーシップグリッドにより分析した結果によると、日本HPは機会獲得能力とシェア獲得能力がともに高い「Leadership」に分類された。これに対し日本IBMはシェア獲得能力は高いが機会獲得能力に課題がある「Niche」に、サンと富士通は機会獲得能力は高いがシェア獲得能力に課題がある「Legacy」にそれぞれ分類されている。
シェア獲得能力で最も高い評価となったのは日本HP。販売パートナーの営業力が強いことや、メインフレームを扱っていないため販売金額の高いシステムに関わる営業リソースをUNIXサーバーに集中できることなどが高い評価に寄与している。
機会獲得能力で最も高い評価となったのはサン。1990年代後半から2001年にかけて大量のUNIXサーバーを販売したためインストール台数が多く、市場における認知度が高いことが評価を向上させている。また同社のUNIX OSであるSolarisを扱える技術者が多いことも高い評価に寄与している。
国内UNIXサーバー市場は、ユーザーのIT投資が縮小していくとともに、WindowsやLinuxを搭載した低価格のx86サーバーに新規システムの構築需要が奪われていることなどから、2000年下半期をピークに縮小を続けており更新需要が主体となっている。IDC Japanサーバーリサーチアナリストの石井昌英氏は「国内UNIXサーバー市場は拡大が難しい状況にあり、いかに既存ユーザーの更新需要を獲得していくかがベンダーの成功要因となる。営業力、製品競争力、パートナーシップの力がUNIXサーバー事業の成否を左右するであろう」と分析している。
また同氏は「ベンダーは、UNIXサーバーがWindowsやLinuxサーバーよりも先行している障害回避機能や動的なリソース管理機能など、RAS(信頼性、可用性、保守性)機能の優位性をもっとユーザーにアピールしていかなければならない」と述べている。
■ URL
IDC Japan株式会社
http://www.idcjapan.co.jp/
( 朝夷 剛士 )
2004/09/08 11:24
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