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「コスト削減にはマイクロソフト製品を」、統合サーバープラットフォームをアピール

Microsoft Tech・Ed 2004 Yokohama 基調講演

 マイクロソフト株式会社主催の技術者向けカンファレンス「Microsoft Tech・Ed 2004 Yokohama」が9月6日から10日まで横浜市のパシフィコ横浜で開催されている。2日目の9月7日には、同社代表執行役社長 マイケル・ローディング氏と米Microsoftサーバー&ツール・マーケティング担当コーポレートバイスプレジデントのアンドリュー・リーズ氏による基調講演が行われた。


コミュニティとの協力関係を強調-ローディング氏

マイクロソフト株式会社 代表執行役社長 マイケル・ローディング氏
 今年で10回目を迎えたTech・Edについてローディング氏は、「1回目の講演はほとんどが英語で行われていたものが、今では9割が日本語で行えるようになった」と、同社として日本市場を意識した情報提供を行っていることを強調した。

 ローディング氏は、同社のミッションに触れ「世界中のすべての人々とビジネスの持つ可能性を最大限に引き出すための支援をすること」と述べ、開発者に対しても同様の考えであることを明確にした。この具体的な動きとして、ローディング氏は「さまざまな技術者のコミュニティとの協力関係を重視している」とした。多くのユーザーに対しては、msdnやTechNetなどによる情報提供と、Security Training Tourなどセキュリティに関するイベントにより行っていると説明。「Security Training Tourは一時中断していたが、Windows XP SP2の情報を含めた形で11月より再開する」と述べた。

 コミュニティやユーザーグループとの関係強化や、コミュニティリーダーに対するMVP(Most Valuable Professionals)プログラムなどにより、専門家の認定などにも力を入れている。「SQL ServerのコミュニティであるPASSJが、SQL Server 2005のベータテストに協力することになったのは非常にいい話だ。また、Tech・EdでMVPの方が講師をしていただくなど、関係も深まっている」と、同社としてコミュニティとの関係を重視している点をあらためて強調した。


複雑化するシステムにはマイクロソフト製品が最適-リーズ氏

米Microsoftサーバー&ツール・マーケティング担当コーポレートバイスプレジデントのアンドリュー・リーズ氏
 引き続き講演を行ったリーズ氏は、複雑化する情報システムをテーマに、同社製品による問題解決法を紹介した。リーズ氏は、複雑化による起こる問題として、管理コストの上昇、システムダウン、ITバリューの低下の3つを挙げ、これらの解決策を一つずつ紹介した。

 コストの上昇に対する解決策として、DSI(Microsoft Dynamic Systems Initiative)を紹介した。DSIはエンタープライズシステムにおける同社の管理構想で、構成管理ツール「Microsoft Systems Management Server(SMS)」および、システム管理ツール「Microsoft Operations Manager(MOM)」が中心となっている。「SMSを使うことで、クライアントPCの情報の取得やアプリケーションの配布が可能。アプリケーションの利用状況のレポートを作成することもできる」ため、クライアント管理の手間が大幅に低減されるという。また、「MOMはサーバーを一元管理できるため、サーバー管理の手間も同様に低減される」と説明する。リーズ氏はMicrosoft社内での例として、「DSIにより、サーバーを25%削減、65のドメインコントローラを撤廃することができ、結果として900万ドルの管理コスト削減のができた」と、コスト上昇に対する最適解としてDSIを紹介した。


SMSによるクライアントPCへのソフトウェア配布例 SMSのアプリケーション稼動状況のレポート。使用回数や使用時間などの情報を把握できる MOMのオペレータコンソール。監視対象のサーバーのアラートも一括して確認できる

 システムダウンに対する解決策には、Windows Server 2003およびISA(Internet Security & Acceleration)Serverが有効であるとした。Windows Server 2003では、攻撃可能箇所の軽減や、ダウンタイムの大幅な軽減によるシステムダウンの可能性が軽減している点を挙げた。「来年にはSP1が登場する。SP1では、XP SP2と同等のセキュリティ強化機能の搭載やリモートアクセス隔離サービスなど、ユーザーの声をフィードバックしている」と述べた。また、ISA Serverを使うことで、直感的にネットワーク構成を設定できる点や、ポリシーとあわないPCのアクセスを拒否できるなどのクライアントPCのセキュリティ対策なども紹介した。


Windows Server 2003 SP1の変更点 マイクロソフトの迷惑メールへの取り組み ISA Serverでの設定例。ここではインスタントメッセージソフトを利用できないようにしている

製品ロードマップ
 ITバリューの低下については、来年登場するSQL Server 2005とVisual Studio 2005を利用することで解決できるとした。「SQL Server 2005は、.NETとVisual Studioとの統合や、XMLへのネイティブ対応などが図られている。Visual Studio 2005は、グループ開発のための統合化されたスイート製品であり、開発生産性の向上につながる」と述べ、新しいビジネスバリューの提供につながる製品と位置づけた。

 最後にリーズ氏は、「これら既存製品およびこれから発売される製品を利用することで、コストの管理がより行いやすくなる。浮いた時間をビジネス価値の増大に使えるように、今後も支援していく」と述べ、講演を締めくくった。



URL
  マイクロソフト株式会社
  http://www.microsoft.com/japan/
  Microsoft Tech・Ed 2004 Yokohama
  http://www.event-registration.jp/events/te04/


( 福浦 一広 )
2004/09/08 19:04

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