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要求変更をテスト工程に反映できる開発プロジェクト管理ソリューション

ボーランドとマーキュリーのツール連携で、要求段階でのテスト計画にも対応

 ボーランド株式会社とマーキュリー・インタラクティブ・ジャパン株式会社(以下、マーキュリー)は、9月8日に発表したソフトウェア開発におけるプロジェクト管理ソリューション分野での協業について、その詳細を解説するセミナー「実例に学ぶプロジェクト管理改善のコツ」を9月14日に共同開催した。

 今回の協業では、ボーランドの要求管理ツール「CaliberRM」と構成管理ツール「StarTeam」、マーキュリーのテストプロセス管理ツール「TestDirector」を連携することで、より強力なプロジェクト管理インフラの構築が可能になる。セミナーでは、両社の製品を使った実際のプロジェクト管理手法が解説された。


マーキュリー 技術部 シニア・システムエンジニア マネージャー 鈴木功彦氏
 マーキュリー 技術部 シニア・システムエンジニア マネージャーの鈴木功彦氏は「現在のソフトウェア開発では高品質、短納期、低コストが要求され、現実には多くのプロジェクトが失敗しています」と語った。鈴木氏はプロジェクトが失敗する要因として、「顧客要件がなかなか決まらない」「顧客の要件が頻繁に変更になる」「開発工程が短期化している」といった問題点を指摘する。そして、これらの問題を解決するためには、要求管理、構成管理、テスト構成管理が統合的に実施されなければならないと述べた。

 さらに鈴木氏は、「要件定義、設計、開発の後にテスト計画を作成するのでは、要件に不足や間違いが発見された場合に、それまでのステップを修正することが困難である」と指摘する。ボーランドとマーキュリーでは、この問題の具体的な解決策として、Borland CaliberRMの要求項目をTestDirectorのテスト項目と連動させることで、要件を定義する段階からテスト計画の策定を可能にしている。

 TestDirectorからは、テスト工程での不具合をStarTeamの変更要求項目として自動的に登録できる。この機能はStarTeamのシンクロナイザーによるポーリング機能で、一定間隔でTestDirectorとStarTeamのデータベースを同期することで実現している。TestDirectorからの取得データはカスタマイズ可能だ。また変更要求がクリア(不具合が修正)された場合、StarTeamからTestDirectorに再テスト要求を自動的に通知できるようになっている。

 ボーランドのALMソリューションでは、要求管理や構成管理だけではなく、アプリケーション開発のライフサイクル全体を管理することができる。一方マーキュリーのTestDirectorからは、やはりマーキュリーの自動テストツール「QuickTest Professional」、負荷・性能テストツール「LoadRunner」をコントロールできる。これらのツールが連動して、プロジェクト管理のあり方が大きく変動するのは確かだろう。



URL
  実例に学ぶプロジェクト管理改善のコツ
  http://www.borland.co.jp/management.html
  ボーランド株式会社
  http://www.borland.co.jp/
  マーキュリー・インタラクティブ・ジャパン株式会社
  http://www.mercury.co.jp/
  Borland CaliberRM
  http://www.borland.co.jp/caliber/
  Borland StarTeam
  http://www.borland.co.jp/starteam/
  TestDirector
  http://www.mercury.co.jp/products/testdirector/

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( 北原 静香 )
2004/09/15 14:09

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