 |
 |
|
|
| 最新ニュース |
|
|
|
|
|
|
||||||||||||
|
||||||||||||
|
||||||||||||
|
「迷惑メール対策は余裕のある今のうちに」と訴えるIIJ |
||||||||||||
|
||||||||||||
|
|
||||||||||||
|
||||||||||||
|
||||||||||||
|
||||||||||||
|
||||||||||||
近藤氏によれば、日本ではまだ迷惑メールに関しては、危機的な状態には至っていないという。「2004年の夏くらいから、いわゆる“ゾンビPC”のクラスタやツールを使ったばらまきがかなりひどくはなってきている。来る人のところには日に数百通も届く」（近藤氏）とはいうものの、被害を受けていない人はまったく受けていない状態だ。しかし同氏は、ひどい状況になるのは時間の問題だとして、まだ余裕のある今のうちから対策を考えておくべきだとした。 確かに迷惑メールの増加は、ワールドワイド、特に英語圏では死活問題になっており、対応が急務とされている。近藤氏によれば「迷惑メールの処理に追われてしまうため、メールを使うとクリエイティブな仕事ができなくなる」と、メール自体の使用をやめてしまうユーザーがいるほどだというのである。 こうした現状を受け、新たな技術を導入しようとしたり、業界団体を作って対策を共同で講じたり、法整備を進めて規制したり、というような、迷惑メール撲滅に向けた対策は徐々に取られはじめてきた。同氏はこれに関して、「単一のISPだけでできることではない。業界全体での対応が必須」と述べ、大きな枠での取り組みが必要だという点を主張する。 また「どれか1つだけで迷惑メールをなくせる、という対策はない。複数のアプローチを組み合わせて行う必要がある」とも語り、総合的な対策が重要だと何度も強調していた。 このうち業界団体については、MAAWG（Messaging AntiAbuse Working Group）をIIJを含む9社共同で立ち上げ、ISP協調の枠組み作りや送信者認証技術のテスト、政府機関との連携によるポリシー策定などを行っているという。日本でもMAAWG-J（仮称）として活動を開始したとのことで、近藤氏は「日本独自の問題もあるので、それらの対策を考え、協調する枠組みを作りたい」とした。 また技術面では、その代表として送信者認証に言及。「Sender IDは残念ながら後退してしまったが、送信者の詐称を防ぐ仕組みは有効。特に（最近増えている）フィッシングには効果的なので、何らかの取り組みは必要ではないか」と述べた。 ■ 「変なメールがく来るんだけど」では済まなくなった迷惑メール被害 続けて、迷惑メールのトレンドに触れた近藤氏は、「企業にとってはすでに、『変なメールが来るんだけど』では済まなくなっている。From詐称をされてしまうと、本来発生しないはずのスパムに対するクレームを処理しなくてはならなくなるし、対外的なイメージが悪化する」、また「存在しないFromを詐称された場合、大量のエラーリターンが発生するなど、ISPのメールシステムに大ダメージを与えてしまう」と述べる。つまり、迷惑メールは受信者に被害を与えるだけでなく、いくつもの人間、団体に影響を及ぼしてしまうのである。さらに、“ゾンビクラスタ”からの迷惑メール送信が大量に発生している点に再度触れ、「ワームによってゾンビ化させられた一般PCが送信者になることで、IPアドレスベースのブラックリストが無意味になるし、組織内から迷惑メールを送信されてしまう危険が発生している」（同氏）と指摘した。 一方、フィッシングに関しても「まだまだ少ないものの、日本でも確実に増えていく」と警告。前述のような送信者認証による取り組みのほか、「ユーザーの教育/啓もうも、対フィッシングという観点では重要になる」と述べ、ユーザーにも注意を促している。 ■ メールアウトソーシングサービスに迷惑メール対策オプションを追加 なおIIJでは、迷惑メール対策ソリューションの1つとして、同社が提供している電子メールアウトソーシングサービスに迷惑メール対策機能を追加する。対象となるのは、「IIJ Mailゲートウェイサービス」と「IIJポストオフィスサービス」で、提供開始は10月28日を予定している。同サービスでは、米MX Logicのフィルタリングエンジンを採用しており、学習型（ベイジアン）フィルタ以外にも、ヒューリスティック、チェックサムマッチング、ホワイト/ブラックリストなど、複数のフィルタ手法を用いて迷惑メールかどうかの判定を行うとのこと。 ■ ＵＲＬ 株式会社インターネットイニシアティブ http://www.iij.ad.jp/ プレスリリース http://www.iij.ad.jp/pressrelease/2004/0928.html
（ 石井 一志 ）
|
|
|
|
|
|
|