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ライブドア堀江社長「社長がITを理解すれば利益が上がる」

LinuxWorld C&D/Tokyo 2004 開幕特別記念講演

株式会社ライブドア 代表取締役社長兼CEO 堀江貴文氏
 株式会社ライブドア代表取締役社長兼CEOの堀江貴文氏は9月29日、都内で開催されているLinuxWorld C&D/Tokyo 2004の開幕特別記念講演に登場し「ベンチャーのノウハウを活かせば黒字化できる!ライブドアの成功哲学」と題した講演を行った。

 Linuxはここ数年、企業においての利用が広まっており、LinuxWorldにおいても近年より企業ユーザー向けに装いを変えている。この現状について堀江氏は、ITバブル以前からコスト比パフォーマンスでサーバーやファイアウォールなどにおいて有用であったにもかかわらず、「当時のユーザーは、同じパフォーマンスでも高価な機器を買いたがる傾向があった」と振り返る。そしてITバブル崩壊後、IT投資の削減が求められ利用者の感覚がまともになってきたことから「ここ2~3年でようやくLinuxが市民権を得た」と分析する。

 しかし経営者においてはITへの理解が浸透しておらず、そのような会社ではコストに無駄が多く業務を効率的に行えないため、業績を悪化させている原因になっていると堀江氏は指摘する。「例えば銀行をはじめとした金融業は一部を除いてほとんどの業務がコンピュータで行われるが、そのトップにITを理解していると思える人は1人もいない」(堀江氏)。

 また情報システム部門にすべて任せてしまうと、予算の確保や最新機器の導入などを優先してしまって無駄な投資が多くなり「ガン」と化してしまうという。経営者がITを理解し、その会社に合った投資の判断を行わなければならないということだ。

 ライブドアでは、財務経理でSAP R/3を利用しているが、ハードウェアにPCサーバーを利用することで5000万円未満でシステム構築することができ、問題なく稼働しているという。「Webサーバーはユーザーからどれだけ同時にアクセスされるかを予想することが難しいが、財務経理は社員10数人程度しか同時に利用しないので、これで十分」と堀江氏は説明する。ライブドアはグループ全体で従業員数は1300人程度、「1000人レベルの会社ではオフコンなんて必要ない」(堀江氏)。このほかにも堀江氏は、東証一部上場企業で社長が1人で決算報告書を作成するなど「ちょうどいい」ITシステムを活用してコストを削減し利益を上げている企業を挙げ、「社長がITを理解すれば利益が上がる」ことを強調する。

 さらにネットオークションなどを利用することで機器を格安で手に入れることができるなど、ITの活用でさまざまな面でコストの削減が可能だと堀江氏は説明する。「オークションではないが、ライブドアが六本木に移転する際、ちょうどヤフーも本社を移転中で、破棄するという机を譲ってもらうことで運送費だけでそろえることができた。ライブドアはヤフーのお古である“ノウハウが詰まった”机を使っている」(堀江氏)。

 堀江氏の言うITの活用とは、単にITの導入や運用コストを下げるだけでなく、オークションやオンライン取引、さらにブログなど、一見業務とは関係ないサービスなども含めてビジネスに利用していくということだ。また、それらは新しいビジネスの誕生にもつながる。

 堀江氏は最後に「プロ野球球団を手にすることができたら、ぜひLinuxを球団運営に活用していきたい」とのリップサービスによって講演を締めくくった。



URL
  株式会社ライブドア
  http://www.livedoor.com/
  LinuxWorld C&D/Tokyo 2004
  http://www.idg.co.jp/expo/lw/


( 朝夷 剛士 )
2004/09/29 16:01

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