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CA、新製品の英語版と日本語版の同時リリースを宣言


米Computer Associates International 製品開発担当上級副社長 マーク J・バレンシエ氏
 米Computer Associates International(以下、CA)製品開発担当上級副社長のマーク J・バレンシエ氏は10月13日、プレス向け説明会の中で、日本向け製品開発やローカライズ、他社製品との動作検証などを行う「ジャパン・テクノロジー・センター(JTC)」を、今後90日以内に同氏直轄で国内に設置する意向を明らかにした。

 CAは、ITインフラの統合的なマネジメントソフトウェア(Enterprise Infrastructure Management:EIM)戦略を展開しているが、今後日本をはじめインド、中国などアジア・パシフィック地域への展開を加速化するという。その中で「日本語は英語と同等の位置づけ」と言い切るバレンシエ氏は、JTCの設立により、今後開発する新製品において「日本語版を英語版と同時にリリースする」と宣言した。

 CAが提供するマネジメントソフトウェアの管理対象となるのは、ストレージ、サーバー、クライアント、セキュリティ、サービス、そして企業資産などと幅広く、まさに企業インフラの統合管理を目的としている。これらを共通のインターフェイスによって行うことで管理効率の向上とコスト削減を実現できるとし、企業インフラ管理をすべてCA製品への置き換えを狙う。「これまで財務管理ソフトなどアプリケーションの統合化が進んできたが、これからはマネジメントソフトウェアでも同じことが起きる」(バレンシエ氏)。


 ITインフラの包括的管理を進める上で同社が注目しているのが、ITサービスマネジメントにおけるベストプラクティスをまとめたITIL(Information Technology Infrastructure Library)だ。同社ではトレーニングやコンサルティングの提供のほか、同社製品のITILプロセスへの準拠など各種取り組みを進めている。その中でバレンシエ氏は、企業におけるすべての資産管理を1つのデータベースで行うCMDB(Configuration Management DataBase)を挙げ「CAのみがITILの概念を取り込んだデータベースの構築に成功している」と優位性を強調した。

 またバレンシエ氏はオープンソースへの取り組みについても言及、8月に発表した「Ingres」データベースのオープンソース化を挙げ「Oracle 9iのすべての機能を兼ね備えながら20%のコスト削減を実現するIngresは、オープンソース化後100日でインストールが1万から2万へと倍増した」と成果を強調する。さらに同社では2005年4月までOracleやSQL Server、DB2などからIngresへのコンバーターをオープンソースで開発した人や団体に100万ドルをプレゼントするというユニークな企画を米国で展開するなど、オープンソースを切り口にデータベース分野への取り組みを強化する構えを見せている。

 ソフトウェアにおいて非常に広範囲な展開を見せているCAだが、バレンシエ氏は今後の戦略上における重要項目として“タイムリーな製品投入”による“市場シェア拡大”を挙げ、これに向けた買収も積極的に行う考えを示した。



URL
  米Computer Associates International
  http://ca.com/
  コンピュータ・アソシエイツ株式会社
  http://www.caj.co.jp

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( 朝夷 剛士 )
2004/10/13 18:59

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