|
取締役専務の小倉正道氏
|
富士通株式会社は10月28日、2004年度中間期連結決算を発表した。
売上高は前年同期比3.6%増の2兆2200億円、営業利益は前年同期比512億円増の332億円、経常利益は前年同期比497億円増の40億円、当期純利益は前年同期比497億円増のマイナス81億円と、「純利益以外は2000年以来の黒字」(取締役専務の小倉正道氏)となった。
売上の内訳を見ると、ソフトウェア・サービスが前年同期比0.8%増の9165億円、プラットフォームが前年同期比8.9%増の7879億円、電子デバイスが前年同期比17.6%増の3935億円となった。「第三世代携帯電話用基地局や新紙幣対応の金融端末装置、デジタルAV機器向けLSIなどが好調」とプラットフォームおよび電子デバイスが売上に貢献。また、「販売費および一般管理費の比率が下がったことも影響」したことが、4年ぶりの営業利益の黒字化につながったと説明した。
ソフトウェア・サービスの事業別の売上を見ると、ソリューション/SI事業が前年同期比5.1%減の3928億円、インフラサービス事業が前年同期比5.7%増の5237億円と、ソリューション/SI事業のマイナスが大きく響いている。これは昨年度から続く価格低下圧力に対しコストダウンがおよばなかったことと、採算性の悪化したプロジェクトに関して新規・追加の損失が発生したことが影響した。ソフトウェア・サービス全体の営業利益は、前年同期比133億円減の155億円と大きく落ち込んでいる。
プラットフォームの事業別の売上を見ると、サーバー関連事業が前年同期比13.0%増の1740億円、モバイル・IPネットワーク事業が前年同期比27.3%増の1030億円、伝送システム事業が前年同期比0.6%増の811億円、パソコン/携帯電話事業が前年同期比1.2%増の3260億円、HDD関連事業が前年同期比20.3%増の1038億円と、サーバー・IPネットワーク機器・HDDなどにより改善している。プラットフォーム全体の営業利益も前年のマイナス207億円から37億円と黒字に転換した。
電子デバイスの事業別の売上を見ると、半導体事業が前年同期比20.6%増の2199億円、その他が前年同期比13.9%増の1736億円となった。デジタルAV機器向けLSIでは増収とコストダウンにより大幅な利益増となったが、ディスプレイでは価格低下の影響を受け、利益が大きく減少している。電子デバイス全体の営業利益は、前年のマイナス12億円から345億円と黒字に転換した。
2004年度通期の見通しについて小倉氏は、「売上高については、4月公表の数値より500億円マイナスの4兆9000億円に修正したが、営業利益・経常利益・当期純利益については修正は行わない。売上高の減少はソフトウェア・サービスでの不採算プロジェクトの整理のためで、子会社の改善や費用効率の向上などにより利益はキープする」とした。
■ URL
富士通株式会社
http://jp.fujitsu.com/
2004年度(平成16年度) 連結および単独中間決算概要
http://pr.fujitsu.com/jp/ir/finance/2004h/
■ 関連記事
・ 富士通黒川社長、「2004年度は“強い会社”へスタートの年」(2004/05/26)
・ 富士通、2003年度決算は増収増益で黒字転換(2004/04/27)
( 福浦 一広 )
2004/10/28 19:03
|