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執行役専務 八丁地隆氏
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2004年度 連結中間期決算の概要
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情報通信システム部門の売上高と営業利益
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株式会社日立製作所は10月29日、2004年度の中間期連結決算を発表した。
売上高は前年同期比7%増の4兆3299億円、営業利益は同529%増の1273億円、税引前利益は同50%増の1360億円、当期純利益は同664%増の411億円となった。
売上高7%増というのは「上期としては過去最高」(執行役専務 八丁地隆氏)とのことで、2期連続の増収という結果となった。八丁地氏はこの理由について「一言でいうとコンシューマ向けデジタル家電の活況にけん引され、部品、製品、材料の売上が好調に推移したことで全部門で増収増益を達成した」と説明する。また、海外での売上が前年同期比15%増の1兆6206億円と好調で全売上高の37%を占め、こちらも上期としては過去最高。特に中国は全売上高の6.7%、前年同期比30%増で「相変わらずの活況」とした。
部門別に見ると、情報通信システム部門は売上高が前年同期比2%増の1兆717億円、営業利益は436%増の289億円となった。このうちソフトウェア/サービスは、メインフレーム需要の低下から基本ソフトウェアが下落したものの、アウトソーシング事業が堅調なことからサービスが好調で、全体として4700億円と微増。ハードウェアはPC・サーバー関連がやや低調だったが、ハードディスクが伸長、加えて新規紙幣対応のATMシステムの需要や通信ネットワークが堅調だった影響もあり、全体として6017億円とこちらも微増となった。
詳細を見ていくと、PC・サーバーの上期出荷は30万台で前年比108%、うちサーバーが1万3000台、PCが28万7000台であった。コーポレート・コミュニケーション本部 広報部 部長代理の平野泰男氏は「価格の下落が大きく上期では二けたの赤字となった。下期はばん回できると見ており、通年で期初の見込み通り68万台を出荷し赤字を減らせるだろう」との見方を示した。ハードディスクは「まずモバイル向け2.5インチディスク、また次世代情報家電デバイス向けの1インチディスク」(八丁地氏)の好調により黒字に転換し増益につながった。
電子デバイス部門は、売上高が前年同期比14%増の6920億円、営業利益が718%増の300億円となった。要因としては、日立ハイテクノロジーズの半導体・液晶関連製造装置などが好調なほか、携帯電話向け中小型、および薄型テレビ向け大型の液晶ディスプレイが伸長し黒字化したことが挙げられた。
デジタルメディア・民生機部門は、売上高が前年同期比10%増の6461億円、営業利益が前年同期の7億円から大幅増の106億円となった。プラズマディスプレイや液晶プロジェクタが伸長したことに加え「夏季の猛暑により白物家電の主力製品が堅調に推移したことが要因」(八丁地氏)という。
このほか、電力・産業部門、高機能材料部門、金融サービス部門、物流及びサービスほかもすべて増収増益となっている。
これらを受け、同社では2004年度通年の業績見通しとして、売上高を前年比3%増の8兆9000億円(1000億円上方修正)、営業利益が62%増の3000億円(修正なし)、税引前利益が27%増の3000億円(200億円上方修正)、当期純利益が530%増の1000億円(修正なし)とした。このうち情報通信システム部門は売上高が2兆3050億円、営業利益が990億円と予想。八丁地氏は「特にハードディスクは当初の目標よりは下がる見通しだが、通年黒字化を目指す」とした。
八丁地氏は下期の見通しについて、景気は堅調に推移すると見られるものの「原油や原材料価格の高騰、米国経済政策の効果の薄れ、エレクトロニクス関連の在庫の伸びが低水準で推移している」点を指摘し、「急激に落ち込むことはないと思うが、年度後半の市況悪化が懸念される」との見方を示した。
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2004年度の業績見通し
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情報・通信システム部門などの2004年度業績見通し
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■ URL
株式会社日立製作所
http://www.hitachi.co.jp/
ニュースリリース
http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2004/10/1029.html
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