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米EMC マーケティング&テクノロジー担当主席副社長 ハワード D エリアス氏
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EMCの階層別ストレージラインアップ
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米EMC マーケティング&テクノロジー担当主席副社長のハワード D エリアス氏は、11月2日に都内で開催されたEMCジャパン株式会社主催のプライべートカンファレンス「EMC Forum 2004 AUTUMN」において、同社がILM(Information Lifecycle Management)を戦略の柱としたトータルな情報ソリューションベンダーとして、ストレージ市場の平均を超える成長を続けていることを強調した。
10月19日(米国時間)に発表された同社の2004年第3四半期決算報告を見ると、連結売上高は、前年同期比34%増の20億3000万ドル。地域別の構成では北米が30%、ヨーロッパが34%、アジアパシフィックが30%とほぼ均等。分野別ではハードウェアが47%、ソフトウェアが27%、サービスが26%と非常にバランスがとれている。エリアス氏は「EMCはかつてのハードウェア専業ベンダーからソフトウェア、サービスを含めたILMのトータルソリューションプロバイダーに変革した」と繰り返し、「今期は市場の2~3倍、来期も2倍以上の成長を約束できる」と自信を見せる。エリアス氏によると同社が狙うストレージ関連市場の全体規模は約460億ドルと見ており、うち19%を確保するとしている。
中でも特にソフトウェアやサービスがハードウェアを上回る成長を見込んでいるという。同社のソフトウェア事業というと2003年に発表された米Legato Systems、米Documentum、米VMwareなどの買収が目立ち、10月にも中小規模向けバックアップ・リカバリーソリューションベンダーの米Dantz Developmentを5000万ドルで買収したことを発表するなど、M&Aのみで拡張しているようにも見える。これに対しエリアス氏は「EMCではソフトウェアの社内開発にも力を入れており、R&Dへの投資は買収した各企業のそれの合計より高い」とし、買収と共に自社開発にも注力し、ソフトウェアの展開を重点的に強化していく考えを示した。
同社が戦略の柱とするILMは、大手を含むストレージのハードウェア・ソフトウェアなどを扱う各ベンダーからも相次いで展開が発表されており、競争の激しい市場となっている。この中で同社が成長を続けていく差別化要因としてエリアス氏が強調するのが「ラインアップの幅広さ」だ。エリアス氏は「IBMや日立にも勝っており、ユーザーは適切なものを適時選択できる。もちろん強制はせず、ハードはEMC、ソフトはパートナーの製品という組み合わせも可能だし、その逆でもいい」とし、さらに「IBMのオンデマンドやHPのアダプティブ・エンタープライズなどは1社で理想郷を求めているようなもの。EMCはまずユーザーが情報を最大限に活用できることを一番の目標としている」と、ILMを全社戦略の一部とする大手ベンダーとの違いを説明し、同社としてはパートナーとの協調路線でシェア拡大を目指す方針を示した。
■ URL
米EMC
http://www.emc.com/
EMCジャパン株式会社
http://www.emc2.co.jp/
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( 朝夷 剛士 )
2004/11/02 18:23
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