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日本IBMが語る、「動かないPCの価値」とは？ |
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～ThinkVantage実践セミナー
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石田氏によれば、PCには「動く価値」と「動かない価値」があるという。このうち、動く価値とは「モバイル」のこと。周知の通り、PCが「動く」ことによって、過去にはできなかったさまざまなことが現在では可能になっている。石田氏はこの例として、ThinkPad X31の導入によって病棟巡回の業務が簡素化できた、九州の病院の事例を紹介した。 このほか、モバイルオフィスというものも動く価値の1つだ。日本IBMでは9月9日に箱崎事業所全体を「オンデマンド・ワークスタイル」としてフリーレイアウト化すると発表しているが、テストケースとして1月から行ってきた製造業向けの営業部門では、「課題も確かにあったものの、お客様への訪問時間が4割増える、紙文書が減るなど、さまざまな効果があった。また、会社が縄張りではなく他部門と協調して協議する場になった」という。 ■ 動くPCにはない、動かないPCだけが持つ価値とは？
たとえば、操作環境の問題がある。日本IBMでは超小型のデスクトップPC「ThinkCentre S50 Ultra small」をリリースしている。このPCにはいくつか特徴があるというが、1例として「同じ小さなPCでも、ノートPCの場合はどうしても見下ろす形になり窮屈になってしまうけれど、これなどを17型液晶ディスプレイの台座とした場合は、使用者は人間工学的にほぼ最適な位置でディスプレイと相対できるので、疲れにくくなる」と石田氏は語る。 また閲覧性の問題も、「動かない価値」の1つである。10年前に紙で運用されていた会計データなどは、今ではPCの内部にデータとして格納されている場合が多くなっているのは確かだ。しかし、ただ格納されているだけでは意味がなく、たとえば2年間の決算データを見比べようと思っても、一覧できずに表示を切り替え、切り替え、でやっていては意味がない。PCならデータをさらにドリルダウンして詳細を検討することもできるのに、見にくいからといって紙に出して閲覧するのではそれこそ本末転倒である。 この例でいえば、大きなディスプレイ画面（と詳細な表示機能）があれば、並べて検討していくことは十分に可能だろう。しかし、軽く、小さくなっている「動くPC」では、なかなか大きな画面を搭載することは難しく、この面ではデスクトップPCが優れているという。 こうした例を踏まえ「こうした操作性、操作環境の問題は価値が見えにくいので、直接かかる初期コストなどよりも後回しにされてしまうことが多い」と指摘した石田氏は、動かないことによって、生産性の向上が図れる場合もあるのだと述べた。 ■ 運用面、セキュリティ面の優位性 また動く動かないにかかわらず、企業でPCを利用して行くには、運用性やセキュリティも注意が必要な点である。石田氏は運用面における同社の取り組みとして、導入・展開におけるPC移行支援から、運用・保守、サポート、PCのデータ消去ツールの提供などによるリサイクル・廃棄時まで、ライフサイクルの各フェイズに応じたサービスを提供していると説明。さらにセキュリティ面では、HDD内のデータ暗号化や認証の強化など、各種機能を盛り込んだ「セキュリティー・チップ」を搭載している例や、OSが起動する前のパワーオンパスワードから指紋認証が行えるThinkPadなどの例を紹介。同社のPCシリーズであるThinkVantageソリューションを利用することで、さまざまな効果が期待できるとし、今後も訴求に努めていくと述べていた。 ■ ＵＲＬ 日本アイ・ビー・エム株式会社 http://www.ibm.com/jp/ ■ 関連記事 ・ 日本IBM、全営業部門に“オンデマンド”なオフィス環境を導入（2004/09/09） ・ 日本IBM、「テニスボール4個分」のコンパクトデスクトップPC（2004/08/26） ・ IBM史上最小のデスクトップPCは「企業にベストな形」（2004/09/22） ・ 日本IBM、セキュリティチップを搭載したデスクトップPCのエントリーモデル（2004/10/19）
（ 石井 一志 ）
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