Enterprise Watch
最新ニュース

NEC、アビームコンサルティングを子会社化-アジアでのコンサル事業強化を目指す


NEC代表取締役社長の金杉明信氏(右)と、アビームコンサルティング代表取締役社長の西岡一正氏
 日本電気株式会社(以下、NEC)とアビームコンサルティング株式会社は11月16日、資本提携を含めた戦略的な提携関係を確立することで合意したと発表した。これにより、NECは12月に第三者割当増資の引き受けを含め、約100億円を出資して、アビームコンサルティングの議決権付株式の1/3強を保有する。今後NECは段階的に出資比率を高め、2010年までの間にアビームコンサルティングの株式を100%取得し、完全子会社化する予定。

 今回の資本提携について、NEC代表取締役社長の金杉明信氏は、「アビームコンサルティングのコンサルだけでなくインプリできる力を高く評価している。またユーザーの評価も高い。今回の資本提携では、吸収合併することが目的ではなく、あくまで独立した事業会社として資本参加する」と、NECのコンサル部門に組み込まず、独立系企業としてシナジー効果を発揮させたいと語った。

 アビームコンサルティング代表取締役社長の西岡一正氏は、「スピードを上げて成長することを考え、今回NECとの戦略的な提携にいたった。これは、分離独立したときから予定していた計画の一環」と、財務基盤の強化を提携の理由として述べた。

 アビームコンサルティングは、アジア・北米などを中心にグローバルサービスを提供する総合マネジメントコンサルティングファーム。2001年のエンロン事件をきっかけに起こった、監査業務とコンサルティング業務の独立性を求める世界的な気運を背景に、世界4大会計事務所のひとつである米デロイトトウシュトーマツグループである監査法人トーマツと資本関係を解消して、2003年に分離独立。その後社名を現在のアビームコンサルティングに変更している。

 両社は今後、戦略的パートナーとして、1)アジアを起点としたグローバルなソリューション事業の展開、2)コンサルティング-SI-アウトソーシングの総合的なソリューションの提供、3)共同マーケティングの推進、などの事業協力を検討するとしている。

 NECの金杉氏は、「アビームコンサルティングは、SAPの導入などで大きな実績がある。また、アジアを中心に約500社の顧客を有し、70%以上のリピート率とユーザーからの高い評価を得ている。今回の提携により、日本および中国・アジアでのソリューション事業の体制を確立したい」と、アジア市場を重視する姿勢を見せた。



URL
  日本電気株式会社
  http://www.nec.co.jp/
  アビームコンサルティング株式会社
  http://www.abeam.com/jp/
  プレスリリース
  http://www.nec.co.jp/press/ja/0411/1603.html


( 福浦 一広 )
2004/11/16 18:58

Enterprise Watch ホームページ
Copyright (c) 2004 Impress Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.