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マイクロソフト、SBS 2003追加ライセンスの半額提供など中小企業向けのIT推進施策


 マイクロソフト株式会社は、中小企業向けのIT推進支援として、「Windows Small Business Server 2003(以下、SBS 2003)日本語版」の特別パッケージや、5CALライセンスの半額提供などを含む「スマートビジネスキャンペーン」を、10~50名規模の中小企業を対象として12月10日より2005年6月30日までの期間限定で提供する。

 特別パッケージの「スマートビジネスパック」は、SBS 2003に加え、グループウェア「Microsoft GroupBoard」、電子名刺ソフト「Microsoft Office InterConnect 2004」、クライアントでデータ分析を行う簡易BIツール「住中先生のビジネスウィザード2004」と、日本独自開発となる3つの製品をパッケージとしたもの。参考価格はStandard Editionが13万7500円、Plemium Editionが30万1500円。またOEM製品を含む既存ユーザー向けにも、SBS 2003を除く3製品を2万7500円で提供する。


マイクロソフト株式会社 代表執行役社長 兼 米Microsoft コーポレート バイスプレジデント マイケル・ローディング氏

米Microsoft セールス、マーケティング、サービスグループ担当グループバイスプレジデント ケビン・ジョンソン氏
 SBS 2003は安価な小規模ネットワーク向けのサーバーOSとして販売されているが、マイクロソフト株式会社 執行役常務 OEM営業本部 ゼネラルビジネス統括本部 東日本・西日本営業本部担当 眞柄泰利氏によれば「これまでの購入者調査ではプリントサーバーやファイルサーバーといった単純用途の購入が多かった」という。マイクロソフトでは、さらに多様な用途に活用できるSBS 2003のメリットを打ち出していく考えだが「そのとき利用可能なユーザー数が5と少なく、追加のCAL価格も問題になっていた」とし、今回SBS 2003の追加ユーザーライセンスとして5CALを従来の半額となる4万4300円であわせて提供する。

 マイクロソフトでは2001年10月より、中小企業向けのIT導入支援施策「全国IT推進計画」を展開している。マイクロソフト株式会社 代表執行役社長 兼 米Microsoft コーポレート バイスプレジデント マイケル・ローディング氏は、「国内での中小企業向けIT推進計画はグローバルでの取り組みの一環」とし、キャンペーンとともにこの施策も拡大するとした。

 米Microsoft セールス、マーケティング、サービスグループ担当グループバイスプレジデント ケビン・ジョンソン氏は「経済成長や雇用創出の多くは世界で4000万を数える中小企業が牽引している」とした。この傾向は国内でも顕著で、就労人口の8割が従業員数100名以下の中小企業に所属し、その数は全企業数の99%となる166万社となっている。ジョンソン氏は「中小企業では、今後GDPを超える10%以上の売り上げ成長が見込まれており、日本の経済に大きな影響力を持っている」としながら、「多くの中小企業では、スキルの不足やアクセス手段が原因で、現状ではテクノロジーの活用を享受できていない」とした。

 そして「新しい技術を、いかにシンプルにパッケージにして提供するかが重要」とし、今回の施策では、「わかる、つながる、ひろがるの3つを柱に、わかりやすい言葉で中小企業におけるITを推進し、経済全体の活性化につなげたい」とした。


マイクロソフト株式会社 執行役常務 OEM営業本部 ゼネラルビジネス統括本部 東日本・西日本営業本部担当 眞柄泰利氏

「わかる」「つながる」「ひろがる」をキーワードに販売を展開する
 眞柄氏は、「この3年は、主にセミナーやトレーニングを中心とし、ITリテラシーの向上を図る啓発活動を中心とした施策を展開してきた。e-Japan戦略も導入段階から活用を中心としたフェーズ2へと移行したが、導入そのものがまだまだ十分でない」との見方を示した。

 そして実際に導入を相談できる窓口の不足を問題点として挙げ、セキュリティについても「中堅以上の企業ではビジネスとして注目されているが、中小企業へ向けてセキュリティの必要性を説くのはマイクロソフトの役割」とし、啓発活動についても引き続き取り組んでいくとしながら、「導入前後のケアまでを含め、きちんとした仕組みを作りたい」とした。

 SBS 2003を中心としたパッケージは「この仕組みのためのひな形となる製品」との位置づけだ。マイクロソフトの主導する「IT推進全国会」にも相談/教育パートナーを組織化するほか、「中小企業向けとして影響力の大きい会計士、税理士の方々へ向けて、ビジネスコンサルティングの資格であるマイクロソフト認定システムコーディネータ(MCSC)を浸透させる」などの施策とともに「“わかる”“つながる”“ひろがる”というわかりやすいシナリオで提供していきたい」と語った。

 マイクロソフトではオリックスとも提携して、今回提供のパッケージと、サーバーハードウェアと組み合わせ、設置環境設定、4時間教育と無償サポートを追加した3カ月の無料体験付きの月額リースプログラムを提供する。料金は3年の場合で約1万5000円、4年で1万2000円となっており、「中小企業での導入でハードルとなる、初期導入コストを抑えた形で活用できる」という。

 あわせてマイクロソフトでは、「マイクロソフト中小企業IT化支援センター」を開設し、これまで複数に分かれていた中小企業向けIT化支援の電話窓口を一本化する。このほかマイクロソフトが従来から取り組んでいる中小企業向けのIT施策として、「IT実践塾」について2005年末までに13000人の受講を目指すほか、経革広場地域版も拡大し、参加企業についても、現在の33000社から40000社へ拡大するという。

 眞柄氏は、「こうしたプログラムはパートナーとの連携なしには不可能」とし、Groupboardと連携して動作するNECインフロンティア株式会社開発のVoIP製品なども紹介した。



URL
  マイクロソフト株式会社
  http://www.microsoft.com/japan/
  プレスリリース(スマートビジネスキャンペーン)
  http://www.microsoft.com/japan/presspass/detail.aspx?newsid=2117
  プレスリリース(全国IT推進計画)
  http://www.microsoft.com/japan/presspass/detail.aspx?newsid=2118

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( 岩崎 宰守 )
2004/11/19 16:22

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