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インテル、2種類の64ビットアーキテクチャで多様なニーズに対応
12月1日都内において、「インテル エンタープライズ・コンピューティングの戦略と展望」をテーマとする記者説明会が開催され、米Intel副社長 兼 エンタープライズ・プラットフォーム事業本部長であるアビ・タルウォーカー氏が、現在の市場の現状および将来のインテルの戦略を語った。
米Intel副社長 兼 エンタープライズ・プラットフォーム事業本部長 アビ・タルウォーカー氏
ここ数年でサーバー市場におけるIA(インテルアーキテクチャ)サーバーのシェアは、小規模から中規模向けの製品を中心に拡大している。タルウォーカー氏は「現在はローエンドからミッドレンジのシェアが伸びていますが、今後は8Way以上のバックエンド向けサーバー市場にも力を入れていきます」と語り、より大規模なサーバーの市場拡大を狙っていることを明らかにした。
サーバー用マイクロプロセッサにおけるリーダーシップであることを、重要な企業戦略に掲げるインテルでは、多様なユーザーのニーズに対応するために「Itanium 2」と「Xeon」という2つの64ビットアーキテクチャを提供している。また2005年第1四半期以降に出荷するサーバー用プロセッサは、すべてを64ビットアーキテクチャにするとしている。
これまでエンタープライズ分野のうち、とくにバックエンドの大規模サーバーにおいては、RISCアーキテクチャが中心であった。インテルはこの分野に対し、優れたパフォーマンスと高い信頼性をもつItanium 2への移行を推進している。タルウォーカー氏は“Montecito”のコードネームで知られる次世代のItaniumプロセッサについても言及した。パフォーマンスとスループットを向上するデュアルコア、4倍のスレッドを同時処理するマルチスレッディング機能などにより、現行のItanium 2プロセッサと比較して1.5倍以上のパフォーマンス向上が見込めるとした。また、強力な仮想化を実現するST(Silvervale Technology)などMontecitoによる機能革新は大きい。
今後は8Way以上のバックエンド向けサーバー市場にも力を入れる
サーバー向けCPUであるXeon/Itaniumのロードマップ
デュアルコアを搭載する次世代Itaniumプロセッサ“Montecito”の概要
一方、優れた価格性能比をもつEM64T対応Xeonは、現在稼動する多くの32ビットアプリケーションに対して、優れたパフォーマンスを提供するとともに、64ビットアプリケーションにも対応する現在のIA32サーバーからの後継というイメージになる。新しいXeonプロセッサは、DDR2によるメモリ転送幅の向上や、より高速化されるシステムバスに加え、HT(Hyper Threading)の拡張によりサーバーアプリケーション性能ェ最大30%向上するという。また、DBS(デマンドベーススイッチング)により、最大で25%の消費電力を実現できる点も見逃せない。
このほか、単にマイクロプロセッサを提供するというだけではなく、プラットフォーム全体を考える「Platform-Ization(プラットフォーマイゼーション)」という考え方は、今後も継続するインテルの重要な企業戦略となっている。タルウォーカー氏は「ユーザーとの関係を密にすることが重要」と語り、さらに「プラットフォーマイゼーションの代表的な成功例といえるのがCentrinoです。エンドユーザーとの信頼関係を築くことで、本当にユーザーが必要とする機能を具現化した結果がCentrinoです」と、エンドユーザーのニーズを把握することが重要であることを強調した。
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URL
インテル株式会社
http://www.intel.co.jp/
( 北原 静香 )
2004/12/01 20:40
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