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米IBMオートノミック・コンピューテジング担当バイスプレジデント アラン・ガネック氏
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IBMにおける3年間の取り組み
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日本アイ・ビー・エム株式会社(日本IBM)は12月6日、同社のビジネスパートナー企業10社(内、新規7社)が「オートノミック・コンピューティング」技術の適用に取り組み、10月29日に発表された「オートノミック・コンピューティング・ツールキット」を採用したと発表した。
今回発表されたのは、エヌエスアンドアイ・システム・サービス、キヤノンシステムソリューションズ、CSIソリューションズ、住商情報システム、ニイウス、日本情報通信、日本ビジネスコンピューター、新日鉄ソリューションズ、東芝ソリューション、日立ソフト。各社は、自社のシステムやユーザーに提供するサービスへの適用により、それぞれの信頼性やセキュリティレベルの向上、コストの削減、問題解決への時間短縮などに結びつける。
オートノミック・コンピューティングとは、人の手を介在することなく、自律的に管理、問題修復、攻撃からの防御などを行うことができるシステムの構成に向けた技術を指す。これらは「まだ実現されていない未来の技術」ととらえる見方もある。
これに対し米IBMオートノミック・コンピューテジング担当バイスプレジデントのアラン・ガネック氏は「オートノミック・コンピューティングはすでに実現されており、IBMの製品やサービスに実装され、利用することができる」と強調する。すでにWebSphere、DB2、Tivoli、eServer、Total Storage、ThinkPadなど50種類のハード、ソフトに415以上のオートノミック機能が搭載されているという。
これによりIBMでは、同社の製品やサービスを採用したユーザーを「オートノミック・コンピューティングを実現した企業」(ガネック氏)としている。ガネック氏は例として川崎重工業グループのベニックソリューション、住商情報システム、日立ソフトを挙げた。ベニックソリューション代表取締役社長の白井正紀氏は「Tivoliのようなフレームワークとオートノミック機能をもったツールで30%くらいの効率化ができるのではないかと期待している」と話している。
IBMでは3年間にわたってオートノミック・コンピューティングに向けた投資を行ってきたが、ガネック氏は「異機種環境を管理するには単一アーキテクチャと共通コンポーネント重要となる」と自社製品だけの取り組みでないことを説明する。そして今後、「ビジネスパートナーや標準化団体との協業を進めていく」考えを示した。
■ URL
日本アイ・ビー・エム株式会社
http://www.ibm.com/jp/
ニュースリリース
http://www.ibm.com/news/jp/2004/12/12061.html
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( 朝夷 剛士 )
2004/12/06 17:13
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