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IBM、内外のPCグリッド活用事例を披露


米IBM グリッド&バーチャリゼーション担当副社長 アルバート・バンシャフト氏

IBMのグリッドビジネス・フォーカスエリア

ワールド・コミュニティ・グリッド クライアントソフトのイメージ
 米IBM グリッド&バーチャリゼーション担当副社長のアルバート・バンシャフト氏は12月6日、企業や個人におけるPCの使われていない間の処理能力を活用する「PCグリッド」への取り組みと、内外での新たな活用事例を発表した。

 国内では、山之内製薬が創薬研究の目的で社内のPCの処理能力を利用して高速解析処理を行うグリッドコンピューティングシステムを導入、10月14日より稼働を開始した。ネットワークに分散するPCの空き時間を活用し、1つの仮想システムとして利用可能とするミドルウェア「Platform ActiveCluster Desktop」を、ノートPC「ThinkPad」に搭載して構成されたこのシステムは、「従来、約3~4週間必要だった処理が、3~4日で完了する」という。

 また米IBMは11月16日(現地時間)、企業内だけでなく個人所有を含めたPCの処理能力を集め、医療や社会的分野の課題への取り組みを支援するという世界規模の人道的貢献活動「ワールド・コミュニティ・グリッド」の発足を発表した。活動の第一弾として「ヒトのタンパク質解析プロジェクト」がすでに進行中だという。こちらはWebサイトからフリーソフトをダウンロードし登録すれば誰でも参加できる。

 グリッドコンピューティングは科学技術計算分野から端を発していることから、利用するコンピュータも大型機が中心で、対応アプリケーションもまだ科学技術計算のものが多いが、バンシャフト氏は「ビジネスを中心に、ほかの分野への拡大も進んでいる」と話す。また、グリッドの利用拡大にはIBM製品だけでなく他ベンダーとの相互運用が必要で「オープンスタンダードに基づいていることが重要」と、同社が推進する標準化団体「The Global Grid Forum(GGF)」で作成される仕様に基づくべきとする考えを示した。

 その中でPCグリッドは、一般ユーザーが使うPCを活用することから「最もわかりやすいグリッド」だ。バンシャフト氏はプレゼンテーションで使っているPCを例に「今このPCはPowerPointを起動しているが、PCの能力の99%は使われていない」と、多くのPCで処理能力が余っていることを説明し「ぜひ皆さんのPCもワールド・コミュニティ・グリッドに参加してほしい」と呼びかけた。




URL
  日本アイ・ビー・エム株式会社
  http://www.ibm.com/jp/
  ニュースリリース(山之内製薬導入事例)
  http://www.ibm.com/news/jp/2004/12/12063.html
  ニュースリリース(ワールド・コミュニティ・グリッド)
  http://www.ibm.com/news/jp/2004/12/12062.html
  ワールド・コミュニティ・グリッド(英語)
  http://www.worldcommunitygrid.org/

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( 朝夷 剛士 )
2004/12/06 19:07

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