米サンフランシスコにて12月6日から9日まで開催されている「Oracle OpenWorld」において12月6日、米Hewlett-Packard 会長兼CEO カーリ・フィオリーナ氏が、「ビジネスの変換:デジタル時代のニーズに応える」をテーマに基調講演を行った。
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米Hewlett-Packard 会長兼CEO カーリ・フィオリーナ氏
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同氏はRFIDをはじめ、「これまでアナログだったものがデジタル化される動きは、さまざまな業界で同様の変化が見られる」との見方を示した。RFIDでは、「ビジネスプロセスを改革し、サプライチェーンをスピードアップするとともに、ビジネス決定を迅速にする。また在庫の管理だけでなく、カスタマーへの商品受け渡しまでのすべての段階で情報を提供できるようになる」。
こうした動きは「アプリケーションの分散やサービス提供に影響を与える。これからは情報のありかが問題ではなく、情報をいかに機能させるかという、新しい情報技術へのアプローチが重要になっていく」とした。
このためにはビジネスプロセス、アプリケーション、ITインフラをシームレスにリンクさせる必要がある。そこでは「管理性や適合性に優れるシンプルさと、アプリケーションやプロセスごとといった垂直型ではなく、水平型での価値提供が要求されている」という。これにより複雑性の進むITインフラの管理性を向上するとともに、さらに異機種間だけでなくモバイルなど新しいデバイスの接続性も向上できるとした。
さらに「ITで大きな価値をもたらすためには、情報の流通プロセスを垂直型ではなく水平型にすべき。これを全社的に適用し、さらに変化への対応がリアルタイムで管理できるツールが必要になる」とした。
米HPの提唱するアダプティブエンタープライズは、ビジネス状況の変化に対応できる俊敏性と、ITコストを削減するシンプルさをビジョンとし、米Oracleとの組み合わせにより提供されるソリューションでこれを実現できるとした。そして「技術はこれを具現化する部分として必要だが、より簡単に、少ないリソースでできることが重要」とした。
両社の製品は、業界標準のIAアーキテクチャに基づき、急激なワークロードの変化に対応してリソースを配分、サーバーの稼働率を向上するとともに、単一の管理コンソールからサービスレベルを監視できるという。こうした機能により「データセンターの数を集約するサーバーコンソリデーションも実現することで、コスト削減だけでなく、ビジネスプロセスも最適化できる」とした。
また「情報はデジタル時代に対応するためにもっとも戦略的な資産」と述べた同氏は、「静的な情報ではなく動的な情報をリアルタイムに活用できることが、よりよい顧客体験につながる」とし、「このために必要となるハードウェア、ソフトウェア、サービスを包括的に提供しているのは2社のソリューションだけ」と語った。
現在までに両社製品を組み合わせたソリューションの導入システム数は8万8000にものぼるという。そして大企業向けだけでなく、「最大50ユーザーをサポートする北米提供の「Oracle、E-Business Suite Special Edition」とProliantサーバーの組み合わせにより、ミッドレンジ市場でもビジネスを拡大している」と述べた。
■ URL
米Oracle
http://www.oracle.com/
Oracle OpenWorld
http://www.oracle.com/openworld/
米Hewlett-Packard
http://www.hp.com/
( 岩崎 宰守 )
2004/12/07 16:14
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