米サンフランシスコにて12月6日から9日まで開催されている「Oracle OpenWorld」において12月7日(米国時間)、米Dell会長のマイケル・デル氏が基調講演を行った。
米Oracleプレジデントのフィリップス氏をして「最重要なパートナー」と言わしめるDellは、北米でも、世界でもトップシェアのサーバーベンダーだ。フィリップス氏は「両社の密な協力体制は今後もさらに濃くなっていく」とした。
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米Dell会長 マイケル・デル氏
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講演直前に会場に流されたDellのPRビデオ。Oracle、EMC、Intel、Microsoft、Red Hatの各社が登場する。
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デル氏は「Dellのミッションクリティカルアプリケーションは、Oracleにより生かされるものになっている」とし、「4年間のパートナーシップのなかでも、グリッドが将来の方向という両社のビジョンはマッチしていた」と語った。そして「パートナー各社の中でも、Oracleとの関係がもっともはっきりしたもの」と言い切った。
「IAサーバーにスケーラビリティをもたらすRACのアプローチは、ITの核となるもの」とした同氏。両社の提供するソリューションでは、オープン標準をプラットフォームとすることで、システムを合理化、簡素化し、管理性も向上している。またx86ベースとRISCを比較した場合のハードウェアコストでのメリットはいうまでもない。さらに同氏は、
こうした市場の流れそのものを「Dellの力が牽引している」とした。
またDellでは、OracleのほかEMC、Intelとも協力して“MegaGrid”プロジェクトを立ち上げている。これは製品ではなく、同社のサーバーを用いた128ノードのクラスタシステムで、ミッションクリティカルなワークロードを実行した際の検証を行い、ベストプラクティスを提供するもの。デル氏は「将来のデータセンターのあり方のビジョンとして、ワールドツアーで訴えていく」とした。
またDellではEMCとのアライアンス強化により、ストレージ分野で2003年に54%の成長を遂げており「業界初の1万ドルを切るSANを全米の中小規模に展開する」とした。SMB向けとしては「エンタープライズの恩恵を分かち合う」ため、Oracle Standard Oneの提供にも力を入れるという。
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米Dell プロダクト・グループ 上級副社長 ジェフ・クラーク氏
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デルのエンタープライズ事業を担当するジェフ・クラーク氏は、18カ月から2年で周波数が倍になるというムーアの法則と関連して、この10年のIA標準アーキテクチャでは、帯域幅やメモリ搭載量、ストレージ領域、I/Oなども飛躍的に進化したことに触れ、標準技術の重要性も強調した。
そしてIAアーキテクチャ自体の変化としてマルチコアを取り上げ、「今後はプロセッサ間でタスクをスライスできる仮想化がキーになる」とした。また「標準の上にビルディングブロックされるグリッドアーキテクチャは、運用管理のオペレーションを簡素化するとともに、利用率も向上できる」とそのメリットを語った。
■ URL
米Oracle
http://www.oracle.com/
Oracle OpenWorld
http://www.oracle.com/openworld/
米Dell
http://www.dell.com/
( 岩崎 宰守 )
2004/12/08 12:35
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