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富士通の新検証施設がオープン、大手パートナー代表らが集結


開設のテープカットを行う富士通黒川社長(右から3番目)とパートナー代表ら
 富士通株式会社は12月9日、同社・パートナーの各種サーバーをはじめとしたエンタープライズ向け製品群と技術者を集めた検証施設「Platform Solution Center(プラットフォームソリューションセンター)」を、東京・浜松町にある世界貿易センタービル内に開設した。

 Platform Solution Centerは、これまで新宿・川崎・新横浜にあった検証施設を統合したもので、ユーザーやパートナーらが設備を利用した検証・評価を行えるほか、同社製品群の導入に関するコンサルティングや専門技術相談などをワンストップで提供する。

 施設内には最新機種を含め同社のサーバーが280台、ストレージ35台、各種ネットワーク機器やソフトウェアのほか、パートナー250社/800製品が用意されている。検証ルーム18室、セミナー・コンサルテーションルーム12室も設置され、各種セミナーや発表の場としても利用される。なお、開設費用には「およそ9億円」(代表取締役社長 黒川博昭氏)かかったという。

 黒川氏は、今回の開設をプラットフォームビジネスのさらなる強化策として「(同社のIT基盤である)TRIOLEに徹底してこだわっていく」と述べた。さらに2004年に生産施設にて導入したトヨタ生産方式にも触れ「最短納期で最高の品質の製品を出し、日々よくしていく」と、技術やサービスの向上とともに製品提供体制の改善を強調した。

 取締役専務の伊東千秋氏は、検証施設をパートナーやSIerなどと一緒にミッションクリティカル分野におけるオープン系システムの展開を加速させるため「メインフレームに負けない堅牢性と複雑性の解消の実現」に向けた場とする考えを示した。


富士通 代表取締役社長 黒川博昭氏 富士通 取締役専務 伊東千秋氏

富士通のサーバー、ストレージなどが多数準備されている 富士通以外の製品も用意され、利用することができる サーバールームも完備。オンデマンド運用技術で利用したい機器をスピーディーに準備できるという

検証(バリデーション)ルームは各種セキュリティ対策がなされている ブリーフィングルームでは隣室にある実機を見ながら会議や商談が可能 比較的少人数向けのデモンストレーションルーム

 開設披露式には同社とパートナー関係にあるインテル、サン・マイクロシステムズ、マイクロソフト、レッドハットといった大手ベンダーの代表らも駆けつけた。2004年に入って相次いで発表した協業の成果ともいえるが、競合関係にある組み合わせも多数あり、代表らが同じ席に並ぶのは極めて異例といえる。

 インテル取締役の町田栄作氏は「インテルと富士通は(2001年3月に新宿に開設した)IAソリューションセンターより協業関係が続いている。ユーザーとITの発展のため、今回の開設は喜ばしいこと」とコメントした。

 サン・マイクロシステムズ代表取締役社長のダン・ミラー氏は「インテル、マイクロソフト、レッドハットらと一緒になって支援していきたい」と各社との協力関係を強調した。


インテル 取締役 町田栄作氏 サン・マイクロシステムズ 代表取締役社長 ダン・ミラー氏

 マイクロソフト代表執行役社長のマイケル・ローディング氏は「日本におけるIAアーキテクチャ・オープンシステムの需要が増えている中で、接続性の検証が行えるこの施設は重要な役割となる」と述べ、マイクロソフトと富士通の協業関係において重要な位置づけとなる考えを示した。

 レッドハット代表取締役社長の松浦徹氏は「レッドハットにとって富士通は世界中で一番重要なパートナー」との認識を示し、「Red Hat Linuxの次期バージョンにも、富士通を通じて市場の要望を広く取り入れていく」と、Linuxやオープンソースコミュニティにおいても重要な役割を果たすとする見解を示した。


マイクロソフト 代表執行役社長 マイケル・ローディング氏 レッドハット 代表取締役社長 松浦徹氏


URL
  富士通株式会社
  http://jp.fujitsu.com/
  Platform Solution Center
  http://triole.fujitsu.com/jp/psc/


( 朝夷 剛士 )
2004/12/09 16:49

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