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富士通黒川社長、IBMのPC事業売却を、「前々から思っていた」


富士通株式会社 代表取締役社長 黒川博昭氏
 富士通株式会社 代表取締役社長の黒川博昭氏は12月9日、米IBMのPC事業部門買収についての見解を示した。

 黒川氏はIBMの判断について「IBMのような利益と成長性に対してこだわりのある企業なら、今回のような決断もあるだろうと前々から思っていた」と述べ、売却が予想の範囲内の出来事であったことを示した。「SEであったころからPCのコモディティについて、オリジナリティを大切にし技術にこだわりをもつIBMは、どう考えているのかと思っていた」(黒川氏)。

 一方、富士通のPCビジネスについては「物づくりにこだわるのが富士通のDNAだが、利益も出して行かなくてはならない」とし、その源として、PC1台に対してかかる平均年間費用25万円のうち20万円がサポートやサービスに対するものであったとする統計を挙げ「PCを顧客との接点として付加価値をつけるビジネスを展開していきたい」と、ビジネスモデルの違いを説明した。

 また、コンシューマ事業に対する見解にも触れ「サーバーなどと違い、PCや携帯電話は何百万台も売ることができるようになった。生産やマーケティングでも大きく違うビジネス」との考えを示した。さらに、「ユビキタスに取り組む以上、失敗しても育てていかないと次の展開ができない。生産拠点には“開発費を下げて利益を上げないと撤退しかない”と厳しくいっているが、社長としてコンシューマビジネスでも引き下がってはいけないと思っている」と述べ、PCや携帯電話などのコンシューマ事業を継続していく考えを強調した。



URL
  富士通株式会社
  http://jp.fujitsu.com/

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( 朝夷 剛士 )
2004/12/09 17:53

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