株式会社SRAは12月14日、Webサービスの標準化団体OASISの加盟企業である米Infravioとの提携完了に加え、Webサービスの管理ツールベンダーである米AmberPointとも、近々同様の契約を締結の予定と発表した。今後は2005年第1四半期よりSOA/Webサービスに関するシステムコンサルティング、開発、運用までの事業を開始する。
米Infravioは、Webサービス標準規格への適合性検査、登録ワークフロー、認証といった機能も備えるUDDIレジストリ製品「X-registry」、これと連携して動作し、Webサービスに対してセキュリティの付加、ロードバランスなどの機能を提供するブローカー「X-broker」、運用管理コンソール「X-console」などを販売している企業。
米AmberPointの製品は、複数のシステムに分散して存在し、それぞれ独立して動くWebサービスのパフォーマンス、セキュリティを集中して管理・制御するもの。基本となるWebサービスの管理、監視、セキュリティ認証、データ保護の機能を持つ「AmberPoint Management Foundation」、サービスの品質を管理する「Service Level Manager」、サービス障害原因の解析ツール「Exception Manager」、開発者向けにWebサービスのテスト、パフォーマンスを測定する無償ツール「AmberPoint Express」の各製品がある。Java、.NETの混在環境にも対応するほか、Tivoli、OpenView、MOMといった運用管理ソフトも連携できる。
SRAではこれら製品の日本語化と販売、コンサルティング、トレーニングの提供を行っていくといくとともに、2005年第1四半期にはSOA/Webサービスを適用したシステム開発についてファーストユーザーへの提供を行いたい考え。
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株式会社SRA 取締役社長 鹿島亨氏
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株式会社SRA 取締役社長 鹿島亨氏は、「Webサービスは、アプリケーションのインテグレード、ソフトウェア資産の再利用に最適な手法」とし、標準に基づいた技術なためベンダー非依存である点が「独立系ベンダーであるSRAにフィットしている」とした。またXML、SOAPといったWebサービスに必要な要素技術について「SRAには十分に実績がある」と語った。
SRAではこれまで、UNIX、Linux、オープンソースを柱とし、コンサルティングから開発、導入、運用とシステムのライフサイクル全体をカバーした事業展開を図ってきた。SOA/Webサービスは、「米Gartnerの予測では2007年にアメリカでピークを迎える。これまでの例では、国内での普及は6~18カ月遅れる」とのことで、「先行きは不透明であることは確か」としながらも、「オープンソースはピークにさし掛かった。次の事業展開の材料として」、今後は市場での普及度合いをにらみながら、Webサービスに関する専門部隊を立ち上げる。そして社内人材の教育などで「市場が本格的に立ち上がった際には十分な準備ができている態勢づくりを進め、差別化を図りたい」とした。
これに伴い同社では、まず12月中にもWebサービスの普及へ向けて出版・教育・セミナーの事業を手がけ始める。「Webサービスはマルチプラットフォームに適用できる。複数拠点を持ち、メインフレームも活用する企業にも有効」とした同氏は、これらの事業で顧客企業へのWebサービス技術浸透を図り、後のビジネス拡大につなげたい考えだ。
■ URL
株式会社SRA
http://www.sra.co.jp/
プレスリリース
http://www.sra.co.jp/public/sra/topics/topics2004/041214.shtml
( 岩崎 宰守 )
2004/12/14 16:30
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