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日立、“実用段階に入った”統合プラットフォーム「BladeSymphony」をお披露目


執行役専務 情報・通信グループ長&CEOの古川一夫氏
 株式会社日立製作所は12月20日、12月より出荷開始した同社のプラットフォーム製品「BladeSymphony」および2005年1月に開設する検証施設「BladeSymphonyコンピテンス・センター」に関連して、同社が進めるHarmonious Computing事業の説明会を開催した。

 Harmonious Computingは、同社が掲げるサービスプラットフォームのコンセプトで2002年12月に発表された。このHarmonious Computingは、ユーザーが安心してコアビジネスに集中できるよう最適で高信頼のITシステムの実現を目指すというもの。これに基づいて、2004年7月には、ユーザーと一緒になって作る新しい価値「ユビキタスバリュー」を実現するための事業コンセプト「uVALUE」を提唱、9月には統合サービスプラットフォームのBladeSymphonyを発表している。同社執行役専務 情報・通信グループ長&CEOの古川一夫氏は、「BladeSymphonyに関しては、100以上の企業と話をしており、すでに50以上の企業と商談に入っている。Harmonious Computingは単なるコンセプトではなく、すでに実現可能な段階に入っていることを理解していただきたい」と、対応製品が揃いつつある点を強調した。

 ユビキタス社会に向け、同社が理想とするITシステムは、「環境の変化に自ら即応するITシステム」(同社情報・通信グループHarmonious Computing統括センタ長の森伸正氏)と説明。このITシステムを実現するために用意されたのが、BladeSymphonyだ。BladeSymphonyは、ブレード仕様のサーバー部、ストレージ部、ネットワーク部とOS、システム管理ソフトウェアを、ユーザーの要件に合わせて選択し、一つの筐体に収容できるのが特長。システム管理ソフトウェア「BladeSymphony Manage Suite」により、すべてのハードウェアを統合運用できるため、システム構築を容易にし状況に応じた柔軟で迅速なシステム変更が可能となっている。森氏は、「ビジネスの側面から見た場合、継続的な発展を維持しながら環境の変化に即応するシステムが求められる。また、ユビキタス社会から見た場合、そのとき、その場所、その人ならではの情報アクセスが求められる。BladeSymphonyのオープン性・無停止運用・拡張性などの利点により、こうしたニーズに応えられる」と、コンセプト実現に向けて確実に進んでいるとした。

 説明会では、オンラインショップサイトを例にBladeSymphonyの運用に関するデモも行われた。


デモ環境は、3台のアプリケーションサーバーと1台のリカバリ専用サーバー(右)。正常運用時は、左側の3台のサーバーが処理を行っている 2台目のサーバー(左から2つ目)で無限ループが発生し、CPU負荷が増大した状態 自律的に問題を検知し、問題の業務を強制再起動することでシステムへの影響を局所化した

システム障害により2台目のサーバーがダウンした状態。結果、残り2台のサーバーの負荷が増大しているのがわかる リカバリ専用サーバーを使い、アプリケーションサーバーを追加した状態。これにより、全体にかかる負荷が軽減された

 また、サービスを停止することなく、パッチ適用を実現するデモも行われた。パッチ適用は、操作画面から一括して実施することが可能なため、管理者の手間は大きく軽減している。また、すべてのサービスを停止するのではなく、1台ずつサービスを停止してパッチ適用を行えるため、外部へのサービス提供は継続できるのが特長となっている。

 最後に古川氏は、「統合プラットフォームを日立製品だけで閉じるつもりはまったくない。オープンのよさを活かし、日立らしいスパイスを利かせて製品化することが重要だと考えている。環境変化にいかに技術的に適用し、オープン環境に対応していくかが大切だ」と、他社製品との連携を重視している姿勢を強調した。



URL
  株式会社日立製作所
  http://www.hitachi.co.jp/
  コンピュータ・ネットワークシステム総合サイト
  http://www.hitachi.co.jp/Prod/it/harmonious/index.html

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( 福浦 一広 )
2004/12/20 18:30

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