IDC Japan株式会社は12月21日、国内ディスクストレージシステムの2004年上期(1月~6月)の実績を発表した。
これによると、外付型ディスクストレージシステムの国内売上は1218億9400万円で、前年同期比2.4%増となり2001年上期以来3年ぶりのプラス成長となった。
プラス成長に転じた理由としては、WindowsとLinux向け製品の高成長が続いていることに加え、最大の市場であるUNIX向けもプラス成長を達成したため。また、2002年、2003年と2年連続して大幅に落ち込んだメインフレーム向けの減少が小幅にとどまったことも影響している。
接続環境別でみると、外付型ディスクストレージシステム市場の成長を支えているのはSAN(Storage Area Network)や、NAS(Network Attached Storage)といったネットワークストレージ。ストレージ管理の高度化・効率化やTCO削減を目的にネットワークストレージの導入が増えており、2004年上期の売上に占めるシェアは40%に達している。一方、サーバーに直接接続されるDAS(Direct Attached Storage)は減少傾向を続けており、投資シフトが着実に進んでいる。
一方、2004年上期の出荷容量は28,514TB(テラバイト)で、前年同期比65.3%増となった。出荷容量の伸び率は2002年、2003年に比べて高まっているが、これはストレージ投資の回復に加え、Eメール、画像データ、研究・開発データなど新しい用途で必要とされる容量が急激に伸びているためだという。こうした新しい用途での効率的なストレージ投資や容量管理は、今後のストレージシステム市場で重要な役割を果たすと考えられている。
なお、外付型と内蔵型を合わせたディスクストレージシステムの2004年上期の国内売上は1,520億3800万円で前年同期比0.2%増、出荷容量は42,641TBで同54.4%増となった。内蔵型から外付型への需要シフトや容量単価の下落などが影響して、内蔵型ディスクストレージシステムの売上は前年同期比マイナスとなっている。
IDCでは「国内ディスクストレージシステム市場は回復軌道に乗りつつあるが、市場には成長を支える強力なけん引役がまだ存在していない。中期的な安定成長を実現するためには、ユーザーのストレージ管理の課題を解決できるディスクベースのバックアップやアーカイブなど、新しい需要の開拓が重要になってきている」と分析している。
■ URL
IDC Japan株式会社
http://www.idcjapan.co.jp/
( 朝夷 剛士 )
2004/12/22 16:49
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