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国内サーバー市場産業分野別出荷金額構成比
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IDC Japan株式会社は12月27日、2004年上半期における国内サーバー(x86サーバー/RISCサーバー/メインフレーム)市場の産業分野別、およびアプリケーション別の動向を発表した。
これによると、サーバー出荷金額の産業分野別構成比は、組立製造とプロセス製造を合わせた製造業が21.8%と最も高く、次いで官公庁の17.3%、金融業の15.4%となっている。前年同期比成長率では公共・公益が73.6%と非常に高い伸びを示した。これはRISCサーバーやメインフレームが更新期を迎えていることが要因だという。また、出荷台数では、デジタル家電景気に支えられたプロセス製造が前年同期比38.3%成長している。
アプリケーション別のサーバー出荷金額では、前期の全分野マイナス成長から、今期はビジネスプロセシングが前年同期比6.1%で唯一プラスに転じた。また、出荷台数でも最も高い伸びを示しており、同31.8%。IDCでは、ビジネスプロセシングは業務効率改善に寄与するアプリケーションと考えられており、他のアプリケーションに優先して投資が行われたことが要因であると分析している。
IDCでは今後5年間のサーバー出荷金額において最も成長率の高いのは、産業分野ではサービス、アプリケーション別では意思決定支援であると予測している。この中でサービス分野は、中堅以下の企業が多いため、安価なx86サーバーが伸長。一方、意思決定支援では、大規模なデータベースを取り扱ったり高度な計算能力が要求されるため、RISCサーバーが伸びるものと見ている。
IDCのアナリストは「2003年からの景気回復に伴って、国内サーバー市場も2004年上半期は出荷が好調であった。しかし、出荷金額の減少傾向は今後も続いていくと考えられる。このため、サーバーベンダーは今後伸びが期待できる分野に注力するべき。具体的には、x86サーバーベンダーは、サービス分野の中小企業に対して大量販売を行える体制を作ること、RISCサーバーベンダーでは、意思決定支援システムのソフトウェアベンダーと協調体制を整えることなどがあげられる」と述べている。
■ URL
IDC Japan株式会社
http://www.idcjapan.co.jp/
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( 朝夷 剛士 )
2004/12/27 18:23
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