Enterprise Watch
最新ニュース

IPA、2004年の年間ウイルス・不正アクセス届出状況を公表


 独立行政法人情報処理推進機構(以下、IPA)は1月6日、2004年の年間コンピュータウイルス・不正アクセスの届出状況をまとめ発表した。それによると、2004年のウイルス届出件数は5万2151件で、2003年の1万7425件から約3倍に増加しているほか、2004年4月より集計を始めた検出数は、2930万個に達したという。

 IPAによれば、ウイルスでは大量メール送信型が猛威を振るったことが2004年の大きなトピックスで、特にW32/Netskyは3月以降の届出件数が10カ月連続でワースト1を記録したという。また、亜種が次々に登場したことも特徴で、W32/Netsky、W32/Bagle、W32/Mydoomはそれぞれ30種類以上の亜種が発生したため、ウイルス対策ソフトのパターンファイル作成が間に合わず、感染が拡大するケースが見受けられた。

 加えて、バックドアを仕掛けてユーザーの情報を盗もうとする悪質なウイルスも増加したほか、メールの添付ファイルを利用せず、本文のリンクをクリックさせて感染を狙う仕組みのW32/Bofraも現れるなど、ユーザーをだますテクニックもより巧妙になってきている。

 一方、不正アクセスの年間届出件数は594件。2003年の407件と比べて45.9%増え、再び増加に転じているものの、実被害件数は72件と、2003年の126件、2002年の225件から減少した。IPAでは届出件数が増加した原因として、「無差別に攻撃が行われることで、企業・個人ユーザーを問わず攻撃を受けていることが推測される」としているが、企業を中心にセキュリティ対策が普及しているために、被害が減少しているのではないかと分析している。

 ただし、Webブラウザのスタートページを書き換えられるなど、個人ユーザーからの被害に関する相談は多数あり、いまだ個人ユーザーのセキュリティ対策は不十分だと推測されるとのこと。



URL
  独立行政法人情報処理推進機構
  http://www.ipa.go.jp/
  コンピュータウイルス・不正アクセスの届出状況について
  http://www.ipa.go.jp/security/txt/2005/01outline.html


( 石井 一志 )
2005/01/07 11:47

Enterprise Watch ホームページ
Copyright (c) 2005 Impress Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.