日本SSAグローバル株式会社は1月12日、米SSA Global 代表取締役社長 兼 会長 兼 CEO マイク・グリーノフ氏の来日に伴い、同社のビジネス戦略に関するプレス向けのラウンドテーブルを開催した。
マイク・グリーノフ氏が米SSA GlobalのCEOに就任した4年前から比べ、その売り上げは1億2000万ドルから昨四半期ベースで約7億ドルへと増加している。その要因として同氏は、買収によるマーケットシェアの獲得に加え、顧客満足度向上によるサポートの継続契約率の大幅な向上を挙げた。
■ 買収によるシェア獲得は、企業が成長するための重要な戦略
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米SSA Global 代表取締役社長 兼 会長 兼 CEO マイク・グリーノフ氏
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SSA Globalでは2003年に蘭Baan、米EXE Technologiesを買収し、世界でNo.3のERPベンダーとなった。その後もERP業界では、2004年12月の米OracleによるPeopleSoft買収をはじめとして再編が続いているが、同氏は「Oracleの買収は以前から予想しており驚いていない。これは口火に過ぎず、今後も他の買収劇が激化していくと考えている」とした。今後の同社による企業買収については明言を避けたが、「GNPの成長には制限がある。企業が成長するためには、買収によりシェアを獲得していくことは、新たな技術の開発によりマーケットを開拓することとあわせて、重要な戦略といえる」と語った。
2004年8月より日本SSAグローバル株式会社の代表取締役社長に就任した細井洋一氏は、SSAが2004年5月にグローバル提携を結んだIBMとの関係に言及した。「IBMではこれまで、ERPとしてはPeopleSoftを担いでいた。日本SSAは設立から12年になるが、ここ数カ月で日本IBMのなかでSSAの位置が大きくなっていると感じている」とし、「インテグレーション、ソリューションのビジネスでは、SI能力をもつパートナーとの関係が重要だ。データベースなどでのライバルである米Oracleによる買収で、IBMにとって我々がオルタナティブになる確率は高いのではないか」との見方を示した。
■ 買収で引き継いだ既存顧客の契約継続を重視
SSA Grobalでは、顧客の要求に基づいて、企業としての将来像をデザインすることをビジネス戦略の基本としている。7月1日から10月31日の四半期には、ライセンス収入が20%増加した上、3年前まで60%後半だったサポート契約の継続率であるリテンションレートも90%に達したという。この数字についてグリーノフ氏は「平均はおよそ80~85%との調査結果がある。テクノロジー企業としての側面が強かった当時は、マネジメントと顧客の声に隔たりがあったが、3年前から顧客との会話を重視する体制に変化した。現在では業界でももっとも高い水準と考えている」とした。そして買収後の顧客満足度調査結果が向上していることとあわせ、顧客を第一に考えることへの評価の表れとした。
そして「買収では異なる企業から顧客を引き継ぐことになる。そうした際に、顧客で居続けてもらうために、サービスが一番との印象を与えるよう今後も注力していく」と述べた。
■ URL
日本SSAグローバル株式会社
http://www.ssaglobal.co.jp/
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( 岩崎 宰守 )
2005/01/12 17:22
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