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米VERITAS Software会長兼社長兼CEOのゲーリー・ブルーム氏
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「大量解雇など行うような企業合併ではない。両社の強みを活かす合併であることを理解してほしい」、米VERITAS Software会長兼社長兼CEOのゲーリー・ブルーム氏は、米Symantecとの合併発表後、初めてプレスの前でインタビューに答えた。
今回の両社の合併についてブルーム氏は、「具体的な作業は2004年9月からスタートしたが、それ以前より話はしていた」という。「もともと、VERITASに対して、顧客からセキュリティソリューションを求める声があり、またSymantecに対しては、バックアップソリューションに関するリクエストがあった」と、両社の製品ラインアップで不十分な分野があり、そのことで米SymantecのCEOであるトンプソン氏と話をしていたことを披露。「業務提携について話し合っていたが、トンプソン氏から2つの会社を1つにするのはどうかという話があり、検討することになった」と、合併へのいきさつを紹介した。
ブルーム氏が力を入れて説明していたのが、両社の事業分野が重ならず、相互に補完しあう関係であるという点。「合併によるコスト効果はほとんど期待していない。新規顧客の獲得を期待している」と、コスト削減を求めての合併ではなく、両社が互いに補完しあうことを目的として合併に及んだ点を強調。「EMCによるDocumentum買収や、OracleによるPeopleSoft買収は、同一事業分野の企業に対し、強者が弱者を買収する典型的な例。OracleによるPeopleSoft買収で5000人の従業員を削減するとの発表があるが、われわれはそのような大量解雇を行うことはない。VERITASとSymantecの合併は、リーダー企業同士の合併であり、これらとは質が異なる」と、従業員の削減はほとんど行わない見通しであることを明らかにした。
新会社の製品は、75%がエンタープライズ向け、25%がコンシューマ向けという位置付けになるという。「Symantecはコンシューマ向け製品のイメージが強いが、エンタープライズ向け製品の取扱量も増加している。新会社は、よりエンタープライズ市場に向いた製品構成になるだろう」とブルーム氏は述べた。
合併作業の途中ということもあり、統合された製品などの具体的な話は聞かれなかった。4月に開催される同社のプライベートイベント「VERITAS VISION 2005」ではなんらかの新製品の発表はあるのかとの質問に対して、ブルーム氏は「今はなにもいえないし、いえばサプライズにならない。期待はしていてください」と、両社製品の統合など、なんらかの発表を匂わせた。
■ URL
米VERITAS Software
http://www.veritas.com/
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( 福浦 一広 )
2005/01/19 06:58
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