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国内ストレージソフトウェア市場の売り上げ実績と予測
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IDC Japan株式会社は1月25日、国内ストレージソフトウェア市場の2004年上半期の売上実績と、2008年までの予測を発表した。
これによると、2004年上半期の売上は251億円で、対前年比10.3%増であった。IDCでは2004年から2008年まで5年間の年間平均成長率は8.9%と予測している。
2004年上半期の国内ストレージ市場は、ハードウェア売上が2001年以来のプラス成長となるなど、回復傾向にある。中でもストレージソフトウェア分野は、ハードウェアやサービスを上回る成長を記録した。また、ストレージソフトウェアの製品分野別市場の中ではバックアップ・アーカイブソフトウェアが41.6%の高いシェアを維持し、ストレージリソース管理ソフトウェアやレプリケーションソフトウェアなどの他分野をリードしている。
ストレージソフトウェア市場成長には、(1)企業の保有ストレージ容量の増加、(2)ネットワークストレージの普及拡大、の2点が要因に挙げられる。
企業の保有するデータはメール、画像データ、エンジニアリングデータなどを中心に急増しており、2004年の新規ストレージ出荷容量は前年の成長率を上回り、60%を越える見通しとなっている。急速に増大するストレージの管理コストを軽減するため、ユーザー企業はソフトウェア導入による効率化・自動化を図るケースが増えている。
また、DAS(Direct Attached Storage)からSAN(Storage Area Network)やNAS(Network Attached Storage)などのネットワークストレージへの置き換えが進み、バックアップ統合やストレージリソースの一元管理などストレージソフトウェアの導入効果が発揮されやすい環境が整ってきたことも市場拡大を促進している。
IDC Japanでは次のように分析している。「国内のストレージ市場は、出荷容量が高い成長率を維持しており、企業のストレージ管理負担は増加している。管理要員が増やせないという条件の下で、ストレージの信頼性・可用性に関するユーザー部門の高まる要求に応えるにはストレージソフトウェアの効果的な利用は不可欠となってきている。現在、データ保護に主眼を置いたバックアップ・アーカイブソフトウェアの伸びが最も高く、企業が必然の課題として情報資産の保護に取り組んでいる様子がうかがえるが、今後は、ILM(Information Lifecycle Management)の考え方に基づくデータ自動再配置などのストレージ管理ソフトウェアが、その機能拡張と共に市場を広げていくであろう」。
■ URL
IDC Japan株式会社
http://www.idcjapan.co.jp/
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( 朝夷 剛士 )
2005/01/25 15:20
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