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日本AMD、「2005年はエンタープライズ市場での浸透を図る」


代表取締役社長の堺和夫氏
 日本AMD株式会社は1月27日、2004年の活動内容と2005年の活動方針を発表した。

 同社代表取締役社長の堺和夫氏は、2004年の総括として「どちらがよいかは、お客様に選んでいただきました」というメッセージを発表、同社製品に対する支持が高まった年であったと述べた。「2004年を振り返ると、デュアルコアのマイルストーンを発表できたことや、日本の重要性を考慮して新設されたAMD JEL(ジャパン・エンジニアリング・ラボ)、x86デュアルコアプロセッサのデモを行えたこと、安価なインターネット接続とPCの活用を目指した“50×15”イニシアティブの公表など、さまざまなことを行えた」と説明した。特に2004年について、「テクノロジー面ではAMDがリードしたと自負している」とし、2005年についてもテクノロジーのリーダーシップをとると明言した。また、AMD64の推進とともに、エンタープライズ市場へのコミットの強化も発表。「これまでは対メーカーの活動が中心であったが、今年はみずからエンドカスタマーを訪問し、Opteronのメリットを訴えていく」と、エンタープライズ分野に積極的に取り組む姿勢を見せた。


 2005年のプロセッサビジネスについて、同社CPGプロダクトマーケティング部部長の秋山一雄氏は、「2004年第3四半期より出荷開始している90nmへすべて移行する」と述べた。Opteronに関しては、「今年はデュアルコアのOpteronをリリースする予定」と紹介。「Opteronは、当初から第2コアの追加を想定とした設計となっており、移行は容易だ。また、デュアルコアになったからといって、シングルコアと仕様が変わるようではいけないわけで、消費電力や940ピンソケットの採用など、既存のシステムを容易にアップグレードできるようにしている」と、デュアルコア化によるデメリットは少ないことを強調した。


Opteronのデュアルコア実装内容 デュアルコアとシングルコアの消費電力仕様

取締役の吉沢俊介氏

成田空港WebサイトでのOpteronサーバーの採用事例。フライトインフォメーションなど急激にアクセスが集中する環境でも対応できる点などが評価されたという
 エンタープライズ市場に関して、同社取締役の吉沢俊介氏は、「Opteronは、HPC分野から普及が進んでいるが、エンタープライズ分野での浸透を図りたい。実際、他社と性能を比較した上で、Opteronを採用するエンドユーザーも増えてきている。今年は低消費電力やコストパフォーマンスの高さ、32ビットから64ビットへの容易な移行など、Opteronを使うメリットをエンドユーザーに伝えていく」とした。特にブレードサーバーでの展開に関心を示し、「企業のサーバールームは電源容量が限られている。低消費電力のOpteronはこうした場所での利用に適している。特にブレードサーバーのように、Opteronのよさが活きる製品がキーになる」と述べ、エンタープライズ市場の開拓に積極的に取り組む姿勢を見せた。

 最後に堺氏は、「サン、HP、IBMなど海外のメーカーでOpteronの採用が進んでいるものの、日本のメーカーではまだまだ採用が進んでいないとの指摘があるが、エンドユーザーがOpteronに関心を示している事実を見れば対応も変わることだろう。今年はいろいろな話が出てくるのではないか」と述べ、エンドユーザーの支持を得ることがOpteronの普及につながるとの考えを示した。




URL
  日本AMD株式会社
  http://www.amd.com/jp-ja/


( 福浦 一広 )
2005/01/27 14:11

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