Enterprise Watch
最新ニュース

NEC、2004年度第3四半期決算は携帯電話・半導体の不振で営業利益大幅減

エルピーダ上場により純利益は大幅増

取締役常務の的井保夫氏
 日本電気株式会社は1月27日、2004年度第3四半期および9カ月通算連結決算を発表した。2004年第3四半期は、売上高が1兆1156億円(前年同期比4.3%減)、営業利益が206億円(前年同期比38.5%減)、当期純利益は394億円(前年同期比253%増)という結果となった。純利益が大幅に増加したのは、持分法適用会社であるエルピーダメモリの上場に伴う株式発行関連利益によるもので、全体としては厳しい結果となった。

 取締役常務の的井保夫氏は、この結果について、「半導体・モバイルターミナルの落ち込みが影響した」と、携帯電話などの不振が大きく響いたと説明した。

 セグメント別に見ると、ITソリューション事業の売上高は4934億円と前年同期比0.1%減、営業利益は260億円と前年同期比で63億円増と「想定どおり」(的井氏)の結果となった。中でも官公庁向けのメインフレーム出荷増による収益確保が営業利益の増加に貢献した。しかし、コンシューマPCは伸び悩むなど、PC関連はまだまだ厳しい状況だ。

 ネットワークソリューション事業は、売上高が4349億円と前年同期比4.9%増に、営業損益は69億円と前年同期比でマイナス63億円と増収減益という結果となった。「ブロードバンド事業は順調に収益に貢献したものの、モバイルターミナル事業が70億円の赤字となり大きく足を引っ張った」としている。これは国内の携帯端末の出荷台数が前年同期比で4割減となったことが大きく響いている。

 エレクトロンデバイス事業は、売上高が2049億円と前年同期比13.2%減に、営業損益は21億円と前年同期比でマイナス156億円と減収減益となった。「半導体分野で顧客の在庫調整局面に入ったことが大きな理由」とし、10月発表の業績予想比で売上高はマイナス350億円、営業損益はマイナス170億円に下方修正した。


通期の修正後の業績見通しに、「営業利益1350億円は必達」

 9カ月通算では、売上高が3兆4188億円(前年同期比0.9%減)、営業利益が800億円(前年同期比12.7%減)、当期純利益が646億円(前年同期比142.3%増)という結果となった。セグメント別では、ITソリューション事業の売上高が1兆4561億円(前年同期比0.9%増)、営業損益は603億円(前年同期比66億円増)、ネットワークソリューション事業の売上高が1兆3348億円(前年同期比5.3%増)、営業損益は251億円(前年同期比マイナス131億円)、エレクトロンデバイス事業の売上高が6663億円(前年同期比4.4%減)、営業損益は359億円(前年同期比マイナス35億円)、その他の売上高が4422億円(3.4%減)、営業損益が47億円(前年同期比68億円増)となった。

 通期の連結業績見通しについては、売上高を4兆8700億円(10月公表値よりマイナス300億円)、営業利益を1350億円(10月公表値よりマイナス150億円)と下方修正。当期純利益については、600億円と修正なしとなった。的井氏は、「1350億円の営業利益は必達。これを目標に第4四半期は行動する」と述べた。



URL
  日本電気株式会社
  http://www.nec.co.jp/
  プレスリリース
  http://www.nec.co.jp/press/ja/0501/2701.html


( 福浦 一広 )
2005/01/27 18:44

Enterprise Watch ホームページ
Copyright (c) 2005 Impress Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.