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2004年第4四半期の国内PC出荷台数は対前年比微増-IDC調査

日本IBMのシェア減は最小限に

2004年第4四半期の国内PC出荷台数トップ5ベンダー(速報値)
 IDC Japan株式会社は1月31日、2004年第4四半期(10~12月)の国内におけるPC市場の出荷速報を発表した。これによると、出荷台数は対前年比1.9%増の315万台となった。

 ベンダー別シェアを見ると、1位はNECで18.6%、2位は富士通で18.0%、以下、デル(11.7%)、東芝(7.8%)、日本IBM(7.4%)と続いている。

 NECは、ビジネス向けにおいて対前年同期比10%前後の伸びを記録した一方、家庭向けにおいては大幅なマイナスとなり、全体でも8.6%のマイナス成長となった。なおNECは、2003年に冬モデルの出荷を10月から開始しており、2004年では9月に開始したため、2004年第4四半期出荷台数の対前年同期比に影響が出ている。

 富士通は、ビジネス向けにおいて対前年同期比一桁台後半の伸びを示すとともに、家庭向けにおいても前年とほぼ同等の出荷を確保し、全体でもプラス成長を維持した。

 デルはシェア11.7%と、前年同期に比べてシェアを1.0%上げており、日本市場における基盤を固めつつある。ビジネス向けにおいて堅調な伸びを維持したものの、家庭向けにおいて
伸び悩みがみられる。

 東芝は対前年同期比18.7%と、トップ5ベンダー中、最も高い伸びを記録した。前年同期に組織改編のため機会損失を起こしていたビジネス向けにおいて回復を示すと同時に、AV指向の新ブランド「QOSMIO」を立ち上げ、家庭向けにおいて20%近くの高成長を遂げたことが貢献している。

 日本IBMは、出荷台数において対前年同期からほぼ横ばいとなった。米IBMは2004年12月8日に中国LenovoへのPC事業の売却を発表しており、情報の混乱などから2004年第4四半期の販売機会損失を起こしていたものと見られる。一方IBMとLenovoは、旧IBM製品のロードマップを向こう16カ月間維持することを表明しており、他社への乗り換えを考慮するユーザーのほとんどは検討に十分な期間を設けると考えられることから、短期的なシェア減は最小限に押さえられるものとみられる。

 その他ベンダーにおいては、日本HPがトップ5入りは逃したものの、シェア6.9%、対前年成長率35.3%で6位につけている。ビジネス向けにおいて30%近い成長を記録したほか、8月にリニューアルしたWebサイト経由で家庭向けでも大きな伸びを示している。



URL
  IDC Japan株式会社
  http://www.idcjapan.co.jp/

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( 朝夷 剛士 )
2005/01/31 18:28

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