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アップル、Oracle DatabaseのMac対応でエンタープライズ事業を加速


プロダクトマーケティング Xserve担当課長 鯉田潮氏

アップルのエンタープライズ向け製品群

Xserve RAIDと他社ストレージ製品との比較
 アップルコンピュータ株式会社(以下、アップル)は2月1日、前日に「Oracle Database 10g for Apple MAC OS X」などを発表した日本オラクル株式会社らとともにエンタープライズ事業の説明会を開催した。

 アップルはエンタープライズ向け製品群として、ハードウェアサーバー「Xserve G5」、ストレージ「Xserve RAID」、サーバーOS「Mac OS X Server 10.3」を発売しており、1月5日にはSAN(Storage Area Network)ファイルシステム「Xsan」の出荷を開始した。また、2005年上半期中に次期サーバーOS「Mac OS X Server 10.4 Tiger(Tiger Server)」のリリースも予定している。同社プロダクトマーケティング Xserve担当課長の鯉田潮氏は、「サーバーにおけるハード・ソフトすべてを1社で提供している」ことを同社の強みとして挙げている。

 そのほかにも、コンシューマ向けOSなどで定評のある操作性や、ユーザーインターフェイスおよび筐体のデザインなど特徴は多い。しかしサーバー製品でアップルを検討するユーザーが最も魅力を感じているのはコストパフォーマンスのようだ。例えばMac OS X Serverは、接続できるクライアント数が無制限の「Unlimited Clientライセンス版」を98,000円で提供しているが、「クライアントが増えても追加ライセンス料が発生しないことが非常に好評を得ている」(鯉田氏)とのこと。これはWindowsなどほかのOSのクライアントにも適用される。また、ストレージにおいてもXserve RAIDは、容量あたりの単価や高密度性において他社製品を大きく上回っていると鯉田氏は強調する。

 しかしエンタープライズ事業において経験の浅い同社製品に不安を感じるユーザーも多い。同社はMac OS X ServerがUNIXをベースとしていることから、高い堅牢性を強く主張しているが、これに加えてユーザーに“安心してもらう”切り札となるのが、OracleのMac OS X Server対応のようだ。Mac OS X Serverではさまざまなオープンソースソフトウェアが利用できるが、「Mac OSに対応するOracleが出るインパクトは大きい」と鯉田氏は話す。


日本オラクルのMac OS X対応新製品群
 Oracleの対応により、従来アップルが得意としてきたクリエイティブ業界以外にも導入を検討するユーザーが現れ始めた。日本オラクル テクノロジープロダクト統括本部 テクノロジープロダクト推進部 担当マネージャーの山本哲也氏によると、発表からこれまでの間に、国内において同社やある金融機関でテストが行われてきたという。リリース後はさらに製造、流通分野にも展開する方針とのこと。

 Oracle Database 10g for Apple MAC OS Xは、5ユーザーで97,650円からの中小規模向け「Standard Edition One」から、「Standard Edition」、「Enterprise Edition」の3製品が提供される。また、統合開発環境「JDeveloper」も合わせて2月25日にリリースされる。



URL
  アップルコンピュータ株式会社
  http://www.apple.com/jp/
  日本オラクル株式会社
  http://www.oracle.co.jp/

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( 朝夷 剛士 )
2005/02/01 19:02

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